道の駅「やぶ」の思ひで…

 

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今日は兵庫県の道の駅「やぶ」でお散歩です.

 

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今回は道の駅「やぶ」の支配人・駅長である永岡さんにお話を伺いました.

 

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お仕事中にもかかわらず,養父の特産品,そしてオススメの「但馬牛すじ丼」について教えてくれました.ありがとうございます.

 

兵庫県北部の但馬地域の中央に位置する養父(やぶ)市.ここは錦鯉養殖の里として知られています.道の駅「やぶ」の標識の近くにはこんなモニュメントがありました.

 

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「やぶ」の駐車場入口にも大きな錦鯉のモニュメントがありました.それだけではありません” 「やぶ」には本物もいるのです.道の駅の敷地内には錦鯉が泳ぐ池があり,大きな錦鯉たちが優雅に泳いでいました

 

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【錦鯉】
養父市は江戸時代以前から鯉の養殖が盛んでした.それには2つの理由があります.第一に良い水に恵まれていたこと.そして第二に鯉の餌になるものが豊富にあったことです.鯉の餌となったのは「蚕のさなぎ」です.養蚕が盛んに行われていた養父では副産物である蚕のさなぎが豊富に存在していたのです.

もともとは食用の黒鯉を中心に養殖されていたそうですが,昭和12年頃に新潟県から錦鯉を移入したことをきっかけに観賞用の鯉の養殖が栄えたそうです.養父市場(但馬街道の宿場町として栄えた集落)には円山川の清流を引き込む水路が引かれているそうです.この水路を利用して鯉を飼う池が庭に作られていたそうですよ.

錦鯉の養殖の分野では改良が続けられ,養父市で生み出された新品種もあります.2000年には,長い尾ビレと背ビレに特徴がある「ひれ長鯉(羽衣と呼ばれることもある)」という品種が誕生しています.ヒレの動きは錦鯉の価値に大きく影響するようです.錦鯉は“泳ぐ宝石”として海外でも人気のようです.芸術作品のような錦鯉を投資の対象としているお金持ちもいるのだとか!!

錦鯉等観賞用魚の輸出額の推移を見ると,増加傾向にあることがわかります.

 

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(出所)財務省貿易統計より.

 

輸出先としては香港が多く輸出総額の3割程度を占めています.また,オランダやドイツといったヨーロッパへの輸出も伸びてきています.盆栽と同じように日本文化を楽しむ外国人が増加しているそうです(盆栽の輸出動向については「川口・あんぎょう」の思ひで…をご参照ください).

通常の鯉とは違い,錦鯉は食べることなどできませんが,「やぶ」には食べることのできる特産品もたくさんあります. 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain レストラン

 

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「やぶ」のレストランでは但馬牛を使った料理を楽しめます♪
ステーキ,ハンバーグ,焼肉定食など但馬牛を生かしたメニューが揃っていますが,なかでもオススメなのが「但馬牛すじ丼」(950円)です.じっくりと煮込んだ但馬牛の牛すじをご飯にのせた逸品です!!
 さっそく,いただきまぁす♪

 

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ネギものっていて,色合いも綺麗です.牛すじはトロトロでプリプリです.今までイメージしていたような牛すじとは全く異なります.柔らかくってしつこくなくて,美味しかったです.味噌ベースなのにしつこくなく,牛すじの旨みも引き出しています♪ 優しい味の味噌は,ご飯にもよく合う味です.

永岡さんに美味しさの秘密を教えてもらいました.永岡さん本人も「但馬牛すじ丼」の開発に携わっています.牛すじ特有の臭みをどのように取り除くか試行錯誤を繰り返し,たどり着いた味なのだそうです.かなり苦労したようですよ.牛すじは,なんと3日間も煮込んでいます.味噌ベースの特性のタレだからこそ,じっくりと煮込むことができるのだとか.牛すじだけではなく醤油や味噌も但馬産です.

 

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「やぶ」のレストランでは2年くらい前から提供していますが,地元の特産品を使った“丼”をたくさんの人に味わってもらうために「但馬牛すじ丼」は商品化されました.平成28年発売予定なのだとか.市での記者会見も予定されているそうです.
養父市は,国家戦略特区(中山間農業改革特区)に指定(2014年5月)されており,農産物の高付加価値化(6次産業化)にも取り組んでいます.地元の食材がふんだんに盛り込まれた「但馬牛すじ丼」が,農業や地域の活性化につながると素敵ですね”
(2016年1月6日に「但馬牛すじ丼」のレトルトパックが販売開始されました.)

 

但馬牛を使ったメニューには「牛すじうどん・そば」もあります.うどんやそばに使われている牛すじは醤油ベース.つまり丼になっている牛すじとは味付けが違うのです.牛すじの旨みが染み出たスープも味わってみたいですね” 但馬牛のメニュー以外にもとんかつや天ぷら,日替わりランチなど豊富なメニューを提供しています.また,道の駅「やぶ」にはレストランだけではなく軽食コーナーもあります.時間がないときでも気軽に立ち寄れそうですね”

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 売店 

 

養父周辺の特産品は但馬牛だけではありません! 道の駅「やぶ」の売店では地元の特産品を扱っています.地元の醤油屋さんが作る醤油も販売しています.

 

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有限会社 中野醸造」のマルナカ醤油です.創業は明治32年と100年以上の歴史があります.使用する水は清流大屋川の伏流水.但馬の自然を生かした伝統の醤油造りが続けられているそうです.甘酢仕立てになっているため,寿司や南蛮漬けなど簡単に料理ができる「ええあんばい酢」という商品もあります.
醤油とともに「但馬牛すじ丼」に欠かせない調味料,味噌です.

 

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青大豆も養父の特産品です.養父地域で昔から栽培されていた青大豆を「八鹿浅黄(ようかあさぎ)」といいます.この名は学名ではなく「丹波黒」のように“地名+色”を表しています.八鹿浅黄は八鹿の浅黄色(黄緑)の豆ということなのだとか(八鹿浅黄の特産化に取り組む任意団体「養父市市民団体」より).皮が薄い八鹿浅黄は加工原料に向いているそうです.従って美味しい味噌や豆腐に加工されているのだとか.

大豆製品といえばもうひとつ,こんな特産品もあります.

 

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 地元の湯葉屋さんが作る生湯葉です.こちらも駅長さんオススメの商品です.有限会社松田甚兵衛商店の湯葉は“水”にもこだわっているようです.

お米も販売していました.

 

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 蛇紋岩米は養父市内の限られた範囲に広がる蛇紋岩土壌で作られたお米です.この土壌にはマグネシウムや鉄分が豊富に含まれているのだとか.品種はコシヒカリです.少量生産のお米はお土産にもいいですね.ちょっと重たいかもしれませんが...

売店では,お菓子やお酒も販売しています.

 

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お菓子は黒豆を使ったもので,クッキーや大福,サブレなどに加工されていました.あ” 鯉のお菓子もある♪

 

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これは食べられる錦鯉ですね.売店には但馬牛のしぐれ煮や佃煮もありましたよ.お土産に良さそうな品ですね”
売店の外には養父市で採れた野菜が並んでいました.銀杏やかぼちゃといった季節の野菜や黒豆や干し椎茸といった乾物もありましたよ.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

  

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錦鯉がデザインされたスタンプです.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 やぶ(兵庫県-06)
住所 兵庫県養父市養父市場1294-77
アクセス 県道104号線沿い(県道物部養父線)
公式サイト http://michinoeki-yabu.com/
ポイント こだわりの味「但馬牛すじ丼」

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

 

養父市:http://www.city.yabu.hyogo.jp/

やぶ市観光協会:http://www.yabu-kankou.jp/