【訪問日:2014年1月】
今日の道の駅は「川口・あんぎょう」です.
この道の駅の特徴は,植木や花といった植物の展示・販売です.屋外広場には植木や草花の販売スペースが有り,文字通り“大きな木”も売られています.
鉢に入った植物だけではなく,庭に植えるような大きなサイズの木(庭木)が販売されているのは珍しいなぁ...と思いました.
ガラス張りの温室風施設内では野菜の販売はありませんが,その代わりに花や観葉植物を扱っています.今回は,“ランの展示”がありました.他にも土や植木鉢などの園芸資材,ガーデニング関係のオーナメントも販売していました.「川口・あんぎょう」は植木や花に興味がある人にオススメです.
アイス(川口産の安行寒桜,柚子,山椒の3種類のオリジナルアイス)があるようですが,今回は見つけられませんでした.夕方に行ったからかなぁ…
安行植木
「川口・あんぎょう」では,なぜ植木が扱われているのでしょうか.
埼玉県の花と植木の生産額は185億円で全国4位(2012年)です.その埼玉県の市町村別出荷量をみると,川口市の出荷量が県全体の43.8%(2007年)を占めており,特に川口市の生産量が多いことが分かります.川口市では,江戸時代から伝統のある川口安行地区を中心に樹木の生産が行われています.
安行植木の起源は約390年前,江戸時代にまでさかのぼります.安行植木の礎を作った人物は吉田権之丞(よしだごんのじょう)といわれており,植木の知識を安行で広めました.1657年,安行植木への需要が急増した出来事が起こりました.それは「明暦大火」です.この大火災は江戸の 6割を消失させたと言われています.江戸の復興のために安行植木が大量に出荷されました.通気性や排水性に優れた安行大地の土壌が樹木の栽培に適していることもあり,川口市安行地区は国内有数の植木の産地として知られるようになったのです.
川口市は,研修機能を備えた花木植物園「川口市立グリーンセンター」を設立するなど緑化産業発展の基盤を整える政策を行っています.今回紹介した道の駅「川口・あんぎょう」は“植木・花卉のデパート”として位置づけられており,伝統産業を支える役割も担っています.
安行植木は国内だけではなく世界的にも有名です.オランダで10年ごとに開催される「国際園芸博覧会~フロリアード~」に1982年より日本の代表として植木や盆栽を出展しており,技術と品質の高さが評価されているそうですよぉ.
日本の盆栽
「道の駅」の情報コーナーには盆栽に関する英訳付きのパンフレット「THE BONSAI」がありました.盆栽は欧州諸国をはじめとして愛好家が多く,日本文化としての認知も高まりつつあります.海外での人気の高まりを背景に,盆栽の輸出も増加傾向にあります.埼玉県は年間2万鉢を超える盆栽を輸出しており,日本の盆栽の総輸出量の約半分を占めています.
道の駅スタンプ
スタンプは,1階の情報コーナーにありました.
樹里安は “じゅりあん”と読みます.「川口緑化センター・樹里安」が「道の駅」としての役割も果たしています.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 川口・あんぎょう(埼玉県-3) |
住所 | 埼玉県川口市安行領家844番地2 |
アクセス | 国道298号線沿い. 東京外環自動車道,三郷方面からの内回りの場合,草加出口より国道298へ.所沢方面からの外回りの場合,川口西出口より国道298へ. |
関連サイト | http://www.jurian.or.jp/ |
ポイント | 「植木・花と造園」の道の駅.大きな木も買えます. |
川口市ホームページ>市長通信(平成25年5月号):http://www.city.kawaguchi.lg.jp/
川口緑化センター:http://www.jurian.or.jp/
埼玉県ホームページ>花と緑の振興センター>植物の情報:http://www.pref.saitama.lg.jp/
農林水産省>統計情報:http://www.maff.go.jp/index.html
農林水産省(2013)『農林水産物・食品 の国別・品目別輸出戦略』