【訪問日:2014年4月】
今日は群馬県の道の駅「月夜野矢瀬親水公園(つきよのやぜしんすいこうえん)」でお散歩です.
ここは公園がメインという雰囲気の道の駅.
売店の軽食コーナーを出たところからの眺め.いい眺めです.
さっそく公園をお散歩してみます.
ポカポカ日和の今日は,学生のイベントや小さな子供を連れたお母さんたち,のんびりお昼を食べる老夫婦さんたちでいっぱいです.
つり橋がありました!みんなが走って渡っていくので,結構揺れました…
吊り橋の写真はありませんが,吊り橋からの眺めの写真です.
広い芝生のある公園は,賑わっていました.
矢瀬親水公園には国指定遺跡の「矢瀬遺跡」があり,縄文時代の集落跡が復元されています.長年の発掘調査を元に,水場の跡や茅葺き住居,高床式建物など村の様子が詳しく再現されているそうです.
…残念ながら,今日は見に行くことができませんでした.
では,農産物直売「月夜野はーべすと」をのぞいてみます.
店内はシンプルな作りですが,野菜やお米,パンなどを扱っています.
干し柿がありましたぁ”
天ぷらにして食べても美味しいのですね!知らなかったなぁ.今度,作ってみよぉ.
こんどは,大きなしいたけを見つけました.“キズあり”とはいえ,200円は安いですね.
おまんじゅうも売っていました.
道の駅の本(発行は道路整備促進期成同盟会全国協議会)に「地元産小麦を使い,地元産の小豆あんと味噌の入ったまんじゅう」が名物と紹介されていたので,買ってみることにしました.
「よもぎまんじゅう」と「みそまんじゅう」の2種類が1つずつ入っているセットを買いました.
食べてみました! …写真を撮るのを忘れました.
味噌味の方は,しそに包まれた味噌がまんじゅうの中心に入っていました.そこだけ食べてしまうと,とってもしょっぱいです.あと,気をつけて食べないと,味噌が溢れてしまいます.よもぎ味の方は,よもぎの味がとても濃くて,いっぱいよもぎの葉を使っているのだろうなぁ...と感じる味でした.
1個100円...だったかなぁ?
ここは,公園もあり,地元の人が訪れる機会が多い道の駅なのだと思います.
大豆のはなし
ここの名物のひとつが「つきよの納豆」.地元産大豆を使用しています.
国産大豆といえば...先日「国産大豆の価格が上昇傾向にある」との新聞記事を読んだことを思い出しました.国産大豆について,少し調べてみます.
【大活躍の大豆】
タンパク質やアミノ酸を豊富に含む“大豆”.
お米に不足しているリジン(必須アミノ酸の一種)が多く含まれているため,米と一緒に食べることで栄養価の向上が期待できるそうです.ご飯と食べることの多い納豆はすごい食材なのですね”
納豆や豆腐,みそ,醤油だけではなく,大豆を暗い所で発芽させたもやしや若いうちに収穫した枝豆.さらにはきなこ,豆乳など様々形で食される大豆.
意識していなくても,毎日,口にしていそうな食材です.
また,食用以外にも大豆油を抽出したり,バイオエタノールの燃料としても注目されているようです.
大豆は,本当に大活躍です.
【大豆の品種】
大豆にはたくさんの品種があります.
農林水産省の大豆の命名登録品種一覧によると「だいず農林125号」まで登録番号がありました.
代表的な品種は「エンレイ」「ユキホマレ」「フクユタカ」などで,全国に流通する主要5品種で大豆全体の7割以上を占めています.
品種によって,タンパク質や当分の含有量,粒の大きさが異なります.
納豆や豆腐,みそといったそれぞれの食品には特性があり,原料の大豆に求められる品質が違うそうです.例えば,納豆に加工される大豆には粒の大きさや色,硬さが重視されています.そのため,それぞれの食品に適した品種が栽培され,加工業者といった大豆需要のニーズを満たしているようです.
生産効率の改善や用途ごとのニーズを満たすために,より優れた品種の開発が行われています.
【国産大豆】
2012年の大豆の自給率は8%でした.
ただ,国産大豆はサラダ油などの原料には使われず全量が食品用であるため,食品用に限ると自給率は高くなり25%となります.
大豆は転作作物として位置づけられているため,水田での作付けが多く,全作付面積の8割以上を占めています.また,畑での大豆の栽培は減少傾向にあります.その要因のひとつとして,大豆から高収入が望める野菜へ転換が挙げられています.
(注)作付け面積が4000ha以下の都府県をその他に分類しました.
(出所)データは農林水産省(作物統計,面積調査)より.
平成25年度産の作付面積は全国で約12万9000haでした.
都道府県別の作付けを見ると北海道が最も多く約20%を占めています.大豆の作付けは北海道や東北,北陸や近畿の一部,九州北部で多いようです.
国産大豆の用途として最も多いのは豆腐で,2012年には国産大豆の58%が豆腐になりました.納豆になった国産大豆は14%,みそ醤油がそれに続いています.
天気による収穫量の増減で大豆価格は大きく変動します.また,国産大豆の需要が増大することで入札取引価格が高騰します.
月別平均落札価格の年産比較してみました.
(注)データ欠損部は入札取引のない月,あるいは入札取引があっても落札実績がなかった場合です.
(出所)データは公益財団法人日本特産農産物協会案内ホームページより.
グラフからも明らかなように,国産大豆価格は上昇傾向にあります.1年前と比べると2倍となっています.
背景には豆腐などに加工するための国産大豆への需要の増大や吸収などでの天候不順に伴う供給不足があるようです.
しかし,大豆価格は高値傾向にありますが作付けは減少傾向にあります.
戸別所得補償制度に伴い,米への転作が進んでいるのです.米同様に大豆も対象作物ですが,稲作に対する手厚い補償が飼料用米などへの転作が進む一因だと指摘されています(2014/4/25「日本経済新聞」).
国産大豆の価格高騰のため,輸入大豆への転換を模索するメーカーも出てきたそうです.2012年度における食品用大豆の需要量は93.2万トンでそのうち国産大豆は22.9万トン,輸入大豆が70.3万トンでした.このことからも,大豆の国際価格の動向も重要であることが分かります.
【世界における大豆】
世界の大豆価格の基準となっているのはCBOT(シカゴ商品取引所)で取引される大豆先物の価格です.大豆は2012年9月に史上最高値(650.7ドル/トン)を記録しました.主要生産地であるアメリカの高温・乾燥が主要因です.2014年4月現在は,550.4ドル/トン近辺で推移しています.
大豆価格の変動要因主に3つ挙げることができます.生産地の天候,新興国の輸入動向,投機マネーの動向です.
大豆価格はアメリカやブラジルといった主要生産地の天候状況に大きく左右されます.さらにアメリカでは大豆の耕作地がとうもろこしの耕作地と重複しているため,とうもろこしの生産状況も大豆価格に関係してくるのです.生産者は,それぞれの作物(大豆ととうもろこし)の価格動向を見極め,多く稼げる方の作物を栽培するのです.
●2013/14年における大豆の輸出入国
(注)米農務省(USDA)による2014年4月発表のデータをもとに表を作成.
(出所)データはUSDA(United States Department of Agriculture),PS&Dより.
輸出国として大きな役割を果たしているアメリカやブラジルは,主要生産地でもあります.
実は,中国も世界4位の生産量を誇るのですが,自国での生産だけでは中国国内需要をまかなうことができず,世界一の輸入国となっているのです.さらに輸入量は年々増加傾向にあり,国際価格への影響度も増しているのです.
大豆の国際価格は,新興国の経済発展に伴う食料需要の増大やバイオ燃料需要の増大を背景に高騰傾向にあります.食料需要の増大といっても,たくさんの人が単に大豆加工食品をたくさん食べているというだけではありません.大豆は,家畜の飼料としても用いられるため牛肉や豚肉への需要の増大が大豆価格を押し上げる要因となっているのです.
経済発展していく中で所得が上昇し,肉を食べる習慣が増えたことが,肉の生産,つまりは大豆飼料の需要を増大させているのです.
3つめの要因として投機マネーの動向が考えられます.
大豆に限らず,コーヒー豆やとうもろこしなどの農産物価格に影響を与えます.特に2008年には投機資金の商品市場へ流入し農産物国際価格が高騰しました.ヘッジファンドや年金基金といった投資家たちによる投機マネーは,実需に関係なく価格を動かし,価格を乱高下させる要因となっているのです.
日本の輸入相手を見ると,近年はアメリカからの輸入は減少傾向にありブラジルからの輸入が増加しています.
日本国内における大豆生産や価格は世界の大豆価格や他国の需要とも深く関わっているのですね”
みなかみ町でつくられた大豆,そして納豆を食べる機会がなかったけれど…
みそまんじゅうを食べたから良いとしましょう♪
道の駅スタンプ
ちょっと珍しい!? しかくいスタンプです.スタンプの左下は縄文時代中期末の「敷石住居跡」がデザインされたものだと思います.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 月夜野矢瀬親水公園(群馬県‐13) |
住所 | 群馬県利根郡みなかみ町月夜野2936 |
アクセス | 県道271号線. 関越自動車道月夜野ICから国道17号291号経由で県道271号を水上温泉方面へ約6km |
公式サイト |
http://www.tsukiyono-harvest.com/ |
ポイント | 月夜の納豆は地元産の大豆” |
農林水産省(2014)『大豆をめぐる事情』
公益財団法人日本特産農産物協会案内:http://www.jsapa.or.jp/
農林水産省 大豆のホームページ:http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/daizu/
USDAEconomic Research Service:http://www.ers.usda.gov/