道の駅「ゆうひパーク三隅」の思ひで…

 

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今日は島根県の道の駅「ゆうひパーク三隅」でお散歩です.

 

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道の駅の裏側には日本海が広がる「ゆうひパーク三隅」.裏庭からの景色がおすすめとのことですが...

 

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今日は雨.ちょっと残念でしがたが,大きな日本海が広がっています.

ゆっくり景色を楽しむことはできませんでしたが,ゆっくり売店を見ることができました.今回は,駅長さんと売店を担当しているスタッフさんにお話を聞きました.

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 売店 

 

まずはお菓子から.地元の工場で作っている洋菓子トルティーノ.

 

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冷凍シューです.解凍してシュークリームのように食べても美味しいそうです.イチジク,ピオーネ,梨,黒ごまなど珍しい味がありました.
「売れ筋は光明堂.町のお菓子屋さんなんです.」と教えてくれました.

  

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黒いダイヤです.
「ほかにはない商品ですし,食感がおすすめです.」とのことなので,食べてみました♪ 外側は砂糖でコーティングされている感じでサクっとしています.中は柔らかいゼリー状です.黒いダイヤは近くにある火力発電所の石炭をイメージして作った商品です.三隅発電所は日本でも大きな発電設備を持つ発電所で,1998年6月に運転開始しました.光明堂は火力発電所にふさわしいお土産の開発に取り組み「黒いダイヤ(石炭)」を商品化しました.

光明堂はこんなお菓子も作っています.

 

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「石見の舞」です.大蛇の胴体をイメージして作ったロールケーキです.大蛇は神楽の演目の一つです.道の駅の売店には石見神楽のコーナーもあります.

  

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石見神楽
益田市は神楽が盛んな地域なのだとか.本来は五穀豊穣に感謝し舞われるものであった神楽.現在では地域の伝統芸能として受け継がれており,祭りやイベントの時に行われています.軽快なリズムと豪華絢爛な衣装が人気を集めています.特に演芸的要素が強い石見神楽は激しい舞が特徴なのだそうです.「ストーリーは古事記から来ているんですよ.」と駅長さん.ストーリー展開が明快ということもあり初心者でも楽しめるそうですよ”
伝統芸能は担い手がおらず衰退傾向にあると言われますが,石見神楽は演じる団体も比較的多くあるそうです.女性も楽人として参加しており,特に笛を担当することが多いようです.売店にはたくさんのDVDが並んでいました.


大蛇の形を模したお菓子「石見の舞」には西条柿が使われています.
「三隅は柿の生産量が多いんですよ」と駅長さん.西条柿は渋柿ですが,糖度が高い柿のため渋抜きをすると美味しい柿として食べる事ができるそうです.10月中旬には青果の柿を取り扱っているそうですよ.お散歩をしたのは12月ですが“柿”を販売していました.

  

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干し柿です.さらに,冷凍や冷蔵の合わせ柿も販売していました.

「合わせ柿」とは渋抜き処理をした柿のこと.地域によっては「さわし柿」と呼ばれることもあるようです.醂す(さわす)という動詞には“柿の渋を抜く”という意味があります.ここで販売している柿はドライアイスを使って渋抜きをしたものです.

 

魚類も扱っていました.

 

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車で走っているだけではあまり感じませんでしたが,やはり“海のそば”なのですね.浜田地方では魚類を総称して「びいびい」と呼ぶそうです.道の駅のレストラン「いさり火」のおすすめメニューは「びいびい丼」.魚だけではなくイカや甘海老,ホタテなどが入った写真が掲載されていました♪ 他にもウニやいくらの入った贅沢な丼もありました.海鮮丼だけではなくラーメンやカレー,うどん,そばもありましたよ.
売店にはこんなに立派な鯖寿司がありました.

 

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「いろいろ魚が取れる中でも特に鯖は重要なんですよぉ.」とスタッフさん.鯖寿司についていろいろ教えてくれました.開き方は“背開き”“腹開き”など様々ありますが,ここでは骨を上手く取るために背開きにしているそうです.鯖は乾いて硬くなってしまわないように結構気をつけているのだとか.魚だけではなく酢飯にも拘っており,酢の配合は季節で変えるそうですよ.鯖寿司は立派な丸ごとサイズだけではなく,食べやすく一口大に切ったものも販売していました.
海の幸の次は山の幸です.室谷地域の棚田米を販売しています.

 

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三隅町の北東部に位置する室谷(むろだに)は3つの集落(上室谷,下室谷,諸谷)で構成されています.室谷地域は大麻山の南斜面に広がり,約28haの農地に1000枚ほどの棚田があります.昭和50年頃には空中写真により4520枚の棚田が確認されており,当時は国内最多の棚田数だったそうです.


棚田とは急傾斜地に作られた不整形の水田のこと.人口増加に伴い新たな栽培地を求め,丘陵や山地などの傾斜地を耕地化したとで形成されたと言われています.しかし,トラクターなどの農機具の導入が難しい棚田は生産性が低く,耕作しにくいため米作りに携わる人は減少し,耕作放棄が増加しました.段差をなくして畑地化したり,数枚の棚田を1枚にまとめる「せまちなおし」という整備が勧められたりしていますが,棚田は減少傾向にあります.
しかし,1990年代からは棚田の風景や文化的価値が見直されるようになりました.農林水産省は「日本の棚田百選」として景観の美しさや文化維持などで優れた棚田を認定しています.室谷地区の棚田も百選の中に選ばれています.

 

日照時間の長い地形的特性と昼夜の寒暖の差が大きい気候的特性を持ち合わせる棚田では美味しいお米が育ちます.せっかくお散歩に来たので室谷棚田米5Kg(2190円)を買って帰りました.美味しいご飯が炊けましたよ♪ 味の表現は難しいですが,スーパーなどで購入するお米とは味が違います.お気に入りのお米になりました.

最近は酒米も栽培されており,棚田米の地酒も作っているようです.

(資料)
島根県浜田県土整備事務所「室谷棚田をみつめて」


棚田米の隣には,珍しい商品がありました.

 

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「やきごめ」です.その名のとおり“焼いた(炒った)お米”です.
もともと,くず米など商品にならないものを再利用して食べていたそうです.モミごと焼いたり,一度蒸してから焼いたり...などいろんな製法があるとスタッフさんと駅長が教えてくれました.


「やきごめ」は硬いのでそのままではなく,お湯に入れて食べます.「それでも硬さはありますよ」とのことでした.珍しい商品だったので,買って帰りました♪
湯を注ぐと香ばしい良い香りがしました.表示通り5分くらいして食べましたが,道の駅のスタッフさんが言っていた通り,少し硬さがあります.でもよく噛めば食べられるし,この歯ごたえが好きな人もいそうです.香ばしい香りと米の甘さを感じる「やきごめ」でした.塩昆布を入れても美味しくなりそうです.長期保存ができるし,出汁などアレンジできそうな食材です.


売店で販売している特産品は,食べ物ばかりではありません.

 

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伝統的工芸品に指定されている「石州和紙」も販売していました.島根県西武の石見地方で漉かれている和紙です.その石州和紙の代表と言われているのが「石州半紙」でユネスコ無形文化遺産です.

「流し漉き」によって作られる石州和紙は原料に楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)といった植物の靱皮繊維を使っています.それぞれの原料は繊維の長さや性質が異なるため特徴を活かし製品に加工されるようです.石州半紙は良質の楮を使用しているそうです.重要無形文化財である石州半紙だけではなくコースター,しおり,便箋,名刺など様々な製品に加工されます.「ドレスも作れるんですよ」と言っていました.

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain “ゆうひパーク”という名の道の駅

 

道の駅「ゆうひパーク三隅(写真左)」と道の駅「ゆうひパーク浜田(写真右)」.お互いの距離も遠くなく,その距離は約16.3㎞.車では20分ほどです.

 

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それぞれの道の駅に建てられている看板を見ると登録日は両方とも平成5年11月24日です.同じ時に申請,受理されたのでしょう.道の駅登録番号は「ゆうひパーク浜田」が03,「ゆうひパーク三隅」が04です.五十音順なのかな!?

実際にお散歩してみたりお話を聞いてみたりしましたが,特に関係は無いようでした.お互いに「うちが先なんですけどねぇ…」という感じでした.

“ゆうひパーク‐‐”という名前はたまたま一緒だったという感じでもないですし...もしかしたら登録した当時は何か関連を持たせたかったのかなぁ...と考えてしまいます.“近くにある”“近い名前”の道の駅同士,タイアップ企画などがあったら面白いですね”

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

  

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しまねっこの小さなスタンプもあります.

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 ゆうひパーク三隅(島根県-04)
住所 島根県浜田市三隅町折居220-1
アクセス 国道9号線沿い
関連サイト http://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/doyroj/Michi-no-Eki/cgi-bin/station_info.pl?param=3204
ポイント 美味しい棚田米