【訪問日:2017年2月】
今日は岐阜県の道の駅「宙ドーム・神岡」でお散歩です.
宙ドームは「すかいどーむ」と読みます.
道の駅「宙ドーム・神岡」には,ちょっと変わった施設があります.ニュートリノの観測研究などで世界的な注目を集める観測装置カミオカンデ(KAMIOKA Nucleon Decay Experiment) の模型があるのです.
カミオカンデの『カミオカ』は,ここ岐阜県神岡町のことです.実物の装置は外界の影響を受けない神岡鉱山茂住抗の地下,約1000mの地点に設置されています.神岡鉱山の地質は堅く巨大な空洞の掘削に耐えうる強度を持っているそうです.
建物内には新聞の切り抜きやパネル,スーパーカミオカンデの光電子倍増管の実物などが置かれています.
カミオカンデを用いた研究で(1987年に超新星から飛来したニュートリノを観測)ノーベル物理学賞を受賞した小柴教授や戸塚教授のサインが書かれたドアもあります.
特産品コーナー
ドーム状の建物内が特産品を販売するコーナーになっています.朴葉みそや飛騨ラーメン,飛彈牛加工食品といった特産品を販売していますが,宇宙関連のグッズも販売していました.
国際宇宙ステーション(ISS)のクルーが飲んでいるという水も販売していました.
物産コーナー内にあるのがスーパーカミオカンデ展示室です.
【スーパーカミオカンデ展示室】
展示室では,スーパーカミオカンデの壁面の一部が再現されています.神岡鉱山の地下にある本物の装置と同じ間隔で光電子増倍管が並べられているのだとか.
スーパーカミオカンデは直径39.3m高さ41.4mの円柱形タンクで,5万トンの超純水を蓄えているそうです.円柱型水タンクの壁に設置された光電子増倍管と呼ばれる光センサーなどで構成されています.
スーパーカミオカンデが捉えようとしているニュートリノ(宇宙からふりそそぐ極小の物質).宇宙で最も豊富な素粒子のひとつだそうですが,他の物質とほとんど反応しないので観測が難しいそうです.そこで超純水で満たされた水槽で観測しようと試みています.ニュートリノが水を通過した時,ごくまれに僅かな光を出す場合があるそうです.スーパーカミオカンデには11129本の光センサーがあります.
前身の観測装置であるカミオカンデはマゼラン星雲中で起こった超新星爆発からのニュートリノや太陽からのニュートリノの観測に成功しています.
スーパーカミオカンデが完成したのは1995年のこと.4年以上の歳月を費やし世界最高精度のニュートリノ観測装置が造られました.そして,研究グループは「ニュートリノに重さがある」ということを世界で初めて発見しました.素粒子物理学上の基本理論を覆すような重要な発見だったそうです.
スーパーカミオカンデでの実験は世界各国の40近い大学や研究機関との共同で行われ,ニュートリノの性質解明を目指しています.これは「宇宙の初期にどのように物質が作られたか」を知ることにつながるそうです.
物産コーナーで販売しているのは,宇宙関連だけではありません”
飛騨の食材‟わさび”チョコレートにも加工されていました.
「わさびちょこれーと」(330円).珍しい味のチョコレートなので,食べてみました.優しいグリーンの色とは異なり,かなり刺激的な味です.チョコレートだと思って油断していましたが,かなりワサビが頑張っています.チョコレートなのにツンっ来る不思議な食べ物です.牛乳ちょこれーと(330円)も買っておいて良かったぁ.こちらは普通のホワイトチョコレートなので安心して食べることができます.ホワイトチョコレートのような見た目,甘くておいしそうな香りのわさびチョコレート.ぜひお試しください”
道の駅のある飛騨市とは結構離れていますが...岐阜「中津川」特産の品も販売していました.ノンカフェイン・ノンカロリーの「ちこり茶(160円)」です.
ちこりの根の部分(ちこり芋)を焙煎してお茶にしているそうです.ちこりの生産日本一の中津川市には株式会社サラダコスモが運営する「ちこり村」があります.
特産品は食べ物だけではありません“
【飛騨のさるぼぼ】
もともとは,おばあちゃんが子供たちのために作った人形だそうです.母親が子どもの健康や幸せな結婚を願い作ったといわれています.
サルのぼぼ(赤ん坊)に似ていることから「さるぼぼ」と呼ばれるようになったのだとか.その姿は,赤く手足がとんがっています.そして顔(目など)がありません.
飛騨地区に古くから伝わる人形で,厄除けや安産などのお守りとして親しまれています.金色のさるぼぼ人形やストラップ型の小さな人形,クッキーといった製品を販売していました.
飛騨の民芸品をもうひとつ紹介します.春慶漆器(しゅんけいしっき)です.
特産品コーナーでは箸や銘々皿,丸盆などを販売していました.特産品コーナーの奥の方に楽器や障子,立派な棚が置かれた場所があったのですが...
たぶん飛騨春慶を展示しているコーナーなのだと思います(近くに詳しい説明はありませんでした).飛騨春慶は江戸時代から伝わる飛騨高山の伝統工芸です.天然の木目の美しさを活かした製品づくりが特徴なのだとか(仏壇工芸 飛騨高山ほりお).
軽食コーナーとレストラン
軽食コーナーでは「てんぷらまんじゅう」というのを見つけました.飛騨神岡の名物なのだとか.紅白のお饅頭に衣をつけて油で揚げてある感じです.単品が売り切れていて,食べることができませんでした...甘さ控えめの「てんぷらまんじゅう」はおかずのような存在なのだとか.神岡ではお正月などの祝いごとの際,てんぷらまんじゅうを食べるそうです.
写真の奥に写っているのがレストランです.レストランでは高山ラーメンやトンカツ定食,うどんなどを販売しています.地元の飛彈牛も味わえるのです.飛彈牛牛かつ定食は冬季(12月から3月末)は予約が必要とのことです.
ドームの外の施設
【朝市広場】
朝採り野菜や民芸品が並ぶ朝市広場は夏季のみの営業です.4月末から11月だと思います.
【自動販売機】
お土産BOXと書かれた自動販売機が集まる場所.ジュースやアイスを売る販売機の隣にちょっと珍しいものを販売する機械がありました.
物産コーナーで販売しているお漬物や中華そば,さるぼぼグッズです.物産コーナーが閉っていてもお土産を購入できますね!
道の駅スタンプ
パン屋さんのとなり,インフォメーションと休憩コーナーの所にありました.スタンプがアルファベットだけというのは珍しいですね.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 宙ドーム・神岡(岐阜県-47) |
住所 | 岐阜県飛騨市神岡町夕陽ヶ丘6番地 |
アクセス | 国道471号線沿い |
公式サイト | http://www.skydome.jp/ |
ポイント | 世界の注目を集める観測装置がある街 |
神岡宇宙素粒子研究施設:http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/index.html
ぎふの旅ガイド:http://www.kankou-gifu.jp/