【訪問日:2017年3月】
今日は岩手県の道の駅「やまびこ館」でお散歩です.
盛岡と宮古の中間地点にある道の駅.山々に囲まれ“こだま”が返ってきそうな場所なので「やまびこ館」と名付けられたそうです.
岩手県の道の駅には“愛称”が付いています(岩手県「道の駅」連絡会)
「やまびこ館」の愛称は~閉伊の郷かわい~.恵みをもたらしてきた閉伊川(へいがわ)への思いが込められています.前回,お散歩した道の駅「区界高原」には~ビーフビレッヂ区界~という愛称がありしたね.
今回は,道の駅「やまびこ館」駅長の大川原康博さんにお話を聞くことができました.川井産業振興公社の次長でもいらっしゃいます.道の駅「やまびこ館」と隣の道の駅「区界高原」は株式会社 川井産業振興公社(http://kawaimura.com/index.html)が運営しています.
まずは物産館である「やまびこ産直館」をお散歩します.
やまびこ産直館
営業時間は9:00から18:00(11月から3月は17:30まで).
地元の食材を生かした川井産業の製品やゆべし,黒豆大福,南部せんべいなどの箱入りのお菓子,岩手の地酒などを販売しています.たくさんの観光客がバスで立ち寄るスポットでもあるそうです.
川井特産のシソと黒豆を使った製品です.
シソを使ったジュース「かわいペリーラ」は昔から家庭で親しまれていた飲み物だそうです.鮮やかな色をしていますが,着色料などは使っていません.花粉の飛ぶ季節に人気なのだとか.100ml入りの小さなサイズのかわいペリーラ(210円)もあるので,ちょっとお試しもできます.酸っぱかったり苦かったりすることはなく,爽やかな美味しいジュースでした.一般的なジュースよりも健康的です.
特産の黒平豆を使った「かわいブラックビーンズ」.豆の煮汁にはちみつを加えたドリンクです.砂糖不使用なので自然な甘さを楽しめそうですね”
お漬物「がっくらの郷」.
むかし,大根をなたで折るように「がっくら,がっくら」と切っていたそうです.その響きにちなんだネーミングの商品.現在でも職人である地元のお母さんたちにより,手作業で切られているため切り口からしっかりと味がしみこみます.川井で生産された大根は麹漬け,キムチ味,紫蘇梅酢味,醤油味に漬けられています.人気の味はキムチ漬け.盛岡名物の冷麺ともよく合うそうです.
キムチといえばこちらも人気なのだとか.
「友情キムチ」は本場韓国の作り方をもとにしたキムチです.このキムチが入ったラーメンはレストラン「もうもう亭」で味わえます.
道の駅「区界高原」よりも海へ近づいたからでしょうか!??
海の特産品も販売しています.「活活(いきいき)せんべい」シリーズと言われている,いかせんべい,かにみそせんべい,ほたてせんべいもありました.
やまびこ産直館の一角に設けられた軽食コーナー.パンも販売しています♪
美味しそうなパンたちが並んでいます.三陸産の鮭を使ったメンチカツバーガーや特産品の黒豆やシソを使ったパンも販売しています.
右に写っているのが「しそあんぱん」左に写っているのが「黒豆パン」です.
「黒豆パン」は黒平豆を甘く炊きパン生地で包み焼き上げたパン.豆は柔らかくて,優しい甘さでした.ちょっと変わった形の黒い豆.川井地区で生産している黒平豆を使用しています.
【黒平豆とガンクイ豆】
豆・雑穀の専門店すずやによると黒平豆は黒大豆の一種だけれど,平たい形をしており黒豆より少し大きいとのこと.岩手県や宮城県で昔から作られてきた在来種の豆だそうです.
東北地方の在来黒豆には雁喰豆(ガンクイ豆)という種もあります.川井地域で作られているのもガンクイ豆です.ガンクイ豆も黒豆の一種です.少し平たいだけではなく真ん中にシワが寄っていることが特徴です.このシワが「鳥の雁がついばんだように見える」ことからガンクイ豆との名がついています.
黒平豆を原料とした味噌や蕎麦,和菓子のきんつばといった商品もあります.
もうひとつ,川井の特産品を使った「しそあんぱん」.片面の紫蘇が餡子の甘さをスッキリとさせてくれます.紫蘇の香りも感じました.さわやかで美味しいアンパンです.梅風味の和菓子を食べているみたいな感じです.パンの上にシソが乗っているだけではなく,餡子の中にもシソが入っていました! パン工房は9時半から営業しています.
軽食コーナーでも十分に楽しめますが,レストランもあります.
レストラン「もうもう亭」
営業時間は10:00から18:30.
先ほど紹介したキムチを使ったラーメン以外にも,郷土食のひっつみ定食や黒豆そば,ステーキ丼がありました.
郷土食加工販売店舗「ヤッホー館」
営業時間は8:30から18:00(11月から3月は17:00まで).
物産館の隣にある郷土食加工販売の施設です.野菜やお漬物なども扱っています.
川井特産の片面紫蘇を使った梅の漬物.色がとても鮮やかです.
梅干しと梅漬けの両タイプがありました.
加工食品のコーナーです.
美味しそうなお饅頭やお団子が並んでいます.蒸しパンのような「かんづき」もありました.
岩手の郷土食といえば...
【ひゅうず】
米の粉を練った生地で砂糖や味噌でつくった餡を包んで,湯がいたものです.米が貴重だったこともあり小麦や蕎麦などを練って皮にしたひゅうずもあります.
形状が「火打ち石」に似ていることから「ひゅうず」と呼ばれるようになったと言われていますが,地域によっては「みみもち」や「かますもち」とも呼ばれているそうです.
昔から手軽に食べられるおやつとして親しまれており,冷めて硬くなったらストーブなどで温め直して食べたそうです.花びらに似せて作った「花ひゅうず」は神仏へのお供え物とされていました.
皮に包まれている餡は家庭の味があるのだとか.
クルミや黒砂糖入りの味噌餡を入れることが多いそうですが,豆味噌を使うこともあるそうです.
(「いわて純情通信WEB」第23号(2005年6月号))
道の駅「やまびこ館」の郷土食加工販売店舗で販売しているひゅうずは地元のお母さんたちの手作り.お母さんたちには,それぞれの味があります.当番が4日交代のため,出会える味が違います.
今日の“餡”は「クルミ味噌」とのこと.食べるのが楽しみです.ひゅうずを食べてみると,中からトロッとした餡が出てきました! 食べるときはこぼれないように注意してくださいね” 作り置きされたものですが,皮がモチモチしていました.餃子のような形をしていますが,味は甘しょっぱくて...おやつです.クルミ味噌餡なのでクルミのつぶつぶも感じられました.そば粉を使った焼きひゅうずも販売していましたよ.
宮古市薬師塗漆工芸館
道の駅「やまびこ館」の敷地内に薬師塗漆工芸館という施設がありました.見学は無料です.1階は漆工芸品の展示で,2階は木の博物館となっています.螺鈿技法の体験もできるようです.
館内は撮影禁止ですが,こちらは撮影も演奏も許可されています.
漆塗りのピアノです.薬師岳の麓に位置する川井地区でつくられた「薬師塗」.岩手県産の漆や川井地区の木材といった地域の素材から作った漆器です.薬師塗漆器にはアワビの貝などを使用した螺鈿技法も用いられています.
漆塗りの作品は,お盆,小箱,テーブルなど様々です.絵画のような作品もあって素敵でした.
ソフトクリーム
黒豆ソフトクリーム.煮豆にした宮古市産の黒平豆を使用しているそうです.
道の駅スタンプ
物産館である「やまびこ産直館」の出入り口にありました.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | やまびこ館(岩手県-27) |
住所 | 岩手県宮古市川内8-2 |
アクセス | 国道106号線沿い |
関連サイト | http://www.thr.mlit.go.jp/road/koutsu/Michi-no-Eki/iwate/iw27.html |
ポイント | 特産品を活用したパン |
いわての旅:http://www.iwatetabi.jp/