道の駅 「生月大橋」の思ひで…

 

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今日は長崎県の道の駅「生月大橋」でお散歩です.

 

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平戸島と生月島を結ぶ橋のたもとに位置しており,平戸島方面から来ると生月(いきつき)大橋を渡り直ぐに左折したところにあります.

 

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生月大橋公園といわれる施設で,道の駅の売店や生月町博物館があります.また,多目的広場や散策道があるそうですが,今日は風がすごく強かったので散策道でのお散歩はやめました.
なので,売店をのぞいてみます.
売店には,生月特産かまぼこや特産品手作りの雑貨がありました.大きくはない売店ですが,アゴ製品がいろいろあります. 

 

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平戸の名産品のひとつが「あご」です.あごとは飛魚(とびうお)のことです.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain あご

 

飛魚は温帯の海に生息する海水魚です.

トビウオという名前は水上に飛び出し滑空する姿から来ています.胸ビレが翼のような役割を果たし,滑空の時速は約70kmで,100mくらいの距離は簡単に前に飛ぶことができるようです.飛魚が水上を滑空するのは捕食者から逃げるためといわれています.

飛魚は運動量が多いために脂肪分は少なく,高タンパク質なお魚.そのためヘルシーフードとして人気を集めているようです.また脂肪が少ないことは干物の条件としても最適なため,多くは加工して出荷されています.

 

「トビウオ」とは複数の種を指すことがあり,取引されるトビウオの多くはツクシトビウオやホソトビウオなのだそうです.漁獲量のデータを見ると「トビウオ類」と分類されていることがあります.
飛魚の卵はトビッコです.お寿司などに乗っているあの小さなつぶつぶは,なんの卵かなぁ...と思っていたのですが,飛魚の卵を塩漬けにしたものだったのですね” さらに飛魚は「くさや」の原料になることもあるそうです.

 

そして,飛魚は解明されていない点が多く残る魚のひとつで,漁獲量に大きな変動が見られます.長崎県におけるトビウオ類の漁獲量は500トンから3000トンと大きな変動があります(データは長崎県総合水産試験場「「長崎県のさかな」の資源生態」より).
変動要因としては,産卵親魚の資源水準や生息水温などが考えられており,それらを継続的に調査することで漁況予測を行っています.


さて,この飛魚ですが九州から山陰地方の比較的広範囲において「あご」と呼ばれています.なぜ「あご」と呼ばれているのかにはいくつか説があります.
例えば,網で捕る魚「アミウオ」が変じて「網魚(アゴ)」になったという説.また,飛ぶ鳥はアスカといい,雑魚(ざこ)の「魚」を「コ」と読むことか「飛ぶ魚=アゴ」という説です(島根県ホームページ「島根の魚」より).さらには,あごが落ちるほどおいしいからだという説や飛魚は刺し網や定置網に刺さった状態で網上げされることが多いので「網の子→網子(あご)」となったという説です(公益財団法人海洋生物研究所ホームページ「沿岸潮流」より).

なぜ「あご」と呼ばれるようになったのかは正式な見解がないようなのですが,「あご」という響きは世界中で知られているはずです.なぜなら飛魚の学名が「Cypselurus agoo agoo」だからです.シーボルトが長崎県の方言として紹介した「あご」が学名に使われています.

 

九州西岸から日本海西部沿岸で産卵された飛魚は15cm程度に成長し,その年の秋に越冬のため東シナ海方面へ南下するそうです.平戸では回遊する飛魚が最も近付く秋にあご漁が行われます.脂肪分の少ない魚と書きましたが,この時期の飛魚は,ちょうど脂がのっている時期なのだとか.秋の特産品であるあごは脂がのっているため新鮮なものは刺身で食べることもあるそうです.

九州北部では「あごだし」を使うことが多いそうです.
あごだしスープ(160円)をお土産に買いました.使うのが楽しみです. 

 

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そして...アゴはクッキーにもなっています.

 

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「あごクッキー」330円です.
もちろん買いました.サクサクのクッキーは遠くの方に魚の香ばしさを感じます.
くろだ玄海堂のあごクッキーは,平戸を代表する海産物「あご」をなんとかお菓子に仕立てられないかと試行錯誤し研究を続け,クッキーとして提供できる商品に仕上げたそうです.

 

乾物やラーメンなど様々なものに加工されている「あご」も名物ですが,道の駅「生月大橋」のもうひとつの名物は,ここから見える景色です.

 

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海と橋,とても眺めの良い道の駅です.
今日は平日なので人も少なく,のんびりとお散歩できました.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 生月大橋

 

1991年7月に開通した生月大橋は平戸市中心部からは約30分の所に位置し,平戸島と生月島を結んでいます.全長は960mで,世界クラスの三径間連続トラス橋(三角形の構造が用いられている橋)です.

 

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車で走るとこんな橋の姿を見ることができます.

生月大橋は,優れた特色を持つ橋に与えられる「田中賞」(社団法人土木学会主催)を受賞しています.「土木学会 田中賞」は昭和41年度より橋梁・鋼構造工学に関する優秀な業績に対して授与されている学会賞で「研究業績部門」「論文部門」「作品部門」の3つの部門があります.生月大橋は平成3年度の「作品部門」に選ばれたのです.

 

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ライトブルーの生月大橋は,形も美しいですね“
生月大橋は,2010年4月に無料化されています.強風時には通行止めとなったり降雪時にはチェーン規制となったりすることがあるそうです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

 

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売店内で押したと思います.
「生月大橋」のスタンプもあったので,道の駅スタンプとセットで押しました.
「生月(いきつき)」とは,遣唐使が「ほっとひと息をついた」事からに由来しているそうですよ.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 生月大橋(長崎県‐01)
住所 長崎県平戸市生月町南免4375-1
アクセス 県道42号線沿い.
主要地方道平戸生月線
関連サイト http://www.hirado-net.com/spot/detail/248?gid=5
ポイント 魚のクッキー

 

【参考ホームページ・参照文献】

市場魚貝類図鑑:http://www.zukan-bouz.com/
達人Navi平戸:http://www.hirado-net.com/
長崎県総合水産試験場:http://www.marinelabo.nagasaki.nagasaki.jp/index.html
長田食品:http://nagata-shokuhin.com/
長崎の橋大図鑑:http://michimori.net/bridge/ilem_index.html