【訪問日:2014年3月】
今日は熊本県の道の駅「有明」でお散歩です.
熊本市方面から国道3号線沿いに来た場合は宇土半島方面の国道57号線へ.すると見えてくるのが「天草五橋」です.
今日はこれらの橋を渡って,天草市(旧有明町)にある道の駅「有明」を目指します.
天草五橋
天草五橋(あまくさごきょう)は,熊本県宇土半島先端の三角(みすみ)と天草上島を結ぶ5つの橋のことです.1966年9月24日に開通しました.これらの橋により,九州本土と天草諸島を船以外の手段で行き来できるようになりました.そういえば,観光バスなどが走っていましたよぉ.
こちらはアーチ型が特徴の2号橋.大矢野橋といい,大矢野島と永浦島を結んでいます.
橋の両側に広がる海には大小さまざまな島が見えます.これら島々の浮かぶ風景は,天草松島と呼ばれ日本三大松島のひとつに数えられるそうです.日本三大松島は,松島(宮城県)・九十九島(長崎県)・天草松島(熊本県).2/3が九州にあるのですね”
天草松島の島々だけではなく,夕日もとても綺麗に見えるそうです.
物産館
物産館に行く前に...
外にはフードコート「リップルカフェTACO家」があります.そこで販売されている「びっくり焼き」は直径7cmもあるそうです.
帰りに買おう♪
物産館には有明町の特産「タコ」を使った商品がたくさんあります.
非売品ですが,こんなに大きい干しタコもありました!!
もちろん販売されている普通サイズの干しタコもあります.
船の形をした棚には,タコチップやタコカレーといった商品だけではなく,アオサやトマトキムチの素がありました.
また,箱入りのお菓子も販売されています.
肉厚のタコだなぁ”と思って見ていたのですが,
この商品は“イカ”のようです.タコをお探しのかたは注意してください.
「五多幸市場」コーナーにも行ってみよぉ”
こちらのコーナーでも「タコすてーき」やたこ飯の素など,タコを使った商品がたくさんありました.また,取扱量は限られますが,きゅうりやトマトといった野菜も販売されていました.
併設のレストランにはタコ丼やタコカレー,タコピラフなど有明名物のタコを用いた料理がいろいろあります.タコステーキというメニューもありました.予約制なので,残念ながら今回は食べることができませんでしたが,タコが一匹まるまる焼かれた写真が印象的でした.
たこ...たこ...タコで思い出しました.
あれはクロアチアでお散歩をした時のことです.
クロアチア,ダルマチア地方の町スクラディン(Skradin).クルカ国立公園の入口に位置するこの小さな街は,深い入江のような場所に位置しヨットハーバーなどがありとても美しい場所です.
(訪問日は2013年9月)
そこのレストランで見つけたタコのグリル.珍しいなぁ”と思って注文しました.
なかなか,なかなか,出てこなかったので,注文してはいけないメニューだったのかと不安になりました.
が...来ました!こちらが,タコのグリル.
HOBOTNICA SA GRILLA,ちゃんと英語表示もありました.Grilled Octopusです.65クーナなのでだいたい1200円くらいです(HRK/JPY = 18.4).
丸ごと焼かれたタコが出てこなくてよかった... 待ち時間が長かったので,ちょっと心配でした.
タコは見た目通り“パサッ”っと仕上がっていました.粉チーズのようなものがかかっていますが,とくに何の味もしなかった思い出があります.
道の駅「有明」のタコステーキもいつか挑戦してみたいと思います.
『おさんぽわんこの旅の思ひで―ヨーロッパ編―』は改めて書く予定なので...よろしくお願いします.
温泉施設
道の駅「有明」は温泉施設を併設しています.
この階段を上った先にあるのが「有明温泉さざ波の湯」です.温泉施設にもレストランがあり,タコ料理やアラ煮定食,カレーライスやオムライスを食べることができます.
温泉施設の前からは,こんな景色を眺めることができます.
良いお天気だし,青い海もとても綺麗です.頑張って階段を上ってきてよかったです♪
写真に写っているように,駐車場にはたくさんの車が止まっています.
物産館やレストランもお客さんでいっぱいでした.
あっ,しまったぁ.忘れてしまいました.「びっくり焼き」..... 8種の具は何だったのかな?
ありあけタコ入道
天草ありあけタコ街道のシンボル「タコ入道」
高さ3m,幅4.5m,重さ888kgです.タコの足は8本なので,888kgという重さのようです.
タコ入道の写真の写真です.
道の駅物産館内に展示されていました.
有明町名物のタコにちなんで,国道324号線沿いは「天草ありあけタコ街道」と呼ばれています.「タコによるまちづくり」を推進している商工会が中心となってこの大きなタコ入道を制作したそうです.
本物はこちら
近くまで行って撮れなかったので,柱などが入ってしまいました.
「タコ入道」は道の駅「有明」の道路を挟んだ反対側にありました.
オブジェなのに,ヌメッとした感じが伝わってくるとてもリアルな作品です.フジツボ付きの蛸壺だし...
ぜひ記念撮影を♪
タコ
タコのオブジェが造られるほど天草はタコが有名な街です.
天草の沿岸で漁獲されたタコは味だけではなく,歯ごたえや色の濃さが自慢なのだそうです.さらに天草のタコは“エビ”の味がすると言われることがあるそうです.これはタコの好物である“エビ”が豊富だからなのではないかと考えられています.
ところで,日本におけるタコ類の漁獲量は約3万3400トン(2013年)です(データは農林水産省「海面漁業生産統計調査(平成25年)」より).日本国内では北海道が最も多く総産出量の50%以上を占めています.熊本県は全国で9番目くらいの産出量です.
そして,タコは輸入もされています.
2014年5月にはこんなニュースが出ていました.マダコの高値が続いており,西アフリカ産のタコの卸値が前年に比べて3割ほど高くなっているとのことです(日本経済新聞2014年5月17日).
2013年,日本はタコを約5800万kg,金額にして約350億円輸入しました.輸入相手上位国は以下のとおりです.
【2013年累計金額上位3カ国】
(データは農林水産省「農林水産物輸出入概況(平成25年)」より)
日本へのタコの2大輸出国は西アフリカのモロッコとモーリタニアです.
モーリタニアやモロッコという国はどこにあるか思い浮かびますか!?
答えはこちら.
正式な国名はモーリタニア・イスラム共和国(Islamic Republic of Mauritania)です.
国土は日本の約2.7倍(103万平方km)で人口は約350万人です(2011年).2011年における一人当たり国民総所得は1000ドル程度で,まだ発展途上の国です.
北部から内陸部にかけて砂漠の広がるモーリタニアは1960年にフランスから独立しました.当時は国を支える産業がほとんど無い状態だったそうです.
750㎞に及ぶ海岸線を有するモーリタニアにタコ漁を伝えたのは日本です.
1977年,漁業指導員がモーリタニアへ派遣され,タコの獲り方を知らなかった現地の人々にタコ壺漁を教えました.また,タコを冷凍加工する施設の整備や首都ヌアクショットにおける魚市場の創設といった日本からの指導や支援の成果もあり,タコ輸出量が飛躍的に伸びたのだそうです.
今ではタコやイカなどの水産物は鉄鉱とともに重要な外貨収入源となっており,人々の生活を支えているのです.
NHK海外ネットワーク「日本とモーリタニア タコが結んだ深い絆」(2011年11月12日放送)ではモーリタニアにおけるタコ漁を紹介していました.
タコ漁の収入は公務員初任給の5倍なのだそうです.
20匹のタコを収穫した漁師たちのその日の収入は2万7000ウギア(約7000円).この金額は,モーリタニアでは100kgほどの米に相当するようです.もちろん船の燃料代といった経費を考える必要はありますがそれでも,1日の収入としては大きな額ですよね”
日本の技術協力によって伝えられたタコ壺漁が普及しているモーリタニア.水揚げされたタコの多くは日本へ輸出されています.
モーリタニアの対日本貿易をみると輸出額は121億円(2010年).そのうちの84.3%がタコの輸出です.西アフリカで水揚げされたタコは冷凍加工され日本へやってくるのです.
今度,タコを購入する際は産地を確認してみてください”
しかし近年では乱獲に伴うタコ漁獲量の減少といった問題も起こってきているようです.2014年5月の日本における西アフリカ産マダコ価格上昇の要因のひとつが「水揚げ量の減少」でした.タコの供給先確保の観点,そして資源保護の観点からも,水産分野における新たな支援が必要となっているのかもしれないですね.
道の駅スタンプ
レジの左の壁側.「五多幸市場」コーナー入口付近にありました.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 有明(熊本県‐07) |
住所 | 熊本県天草市有明町上津浦1955 |
アクセス | 国道324号線沿い. |
公式サイト | http://www.rippleland.com/index.html |
ポイント | イカにだまされないように... |
東博史(2011)「在アフリカ公館便り モーリタニア・イスラム共和国通信」『機関誌「アフリカ」2011年春号』一般社団法人アフリカ協会, pp.16-21.
天草観光ガイド「島旅」:http://www.t-island.jp/
外務省ホームページ:http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
熊本県観光サイト なごみ紀行:http://kumanago.jp/
NHKエコチャンネル:http://www.nhk.or.jp/eco-channel/