道の駅が1040駅になりました

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【道の駅あれこれ:その3】

 

今日は,2014年10月に道の駅が1040駅となったので,そのことについて調べてみました.

 

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 第42回登録

 

道の駅は市町村からの申請に基づき国土交通省道路局が登録を行っています.登録は今回(2014年10月10日)で42回目を迎えます.第42回登録で新たに10駅が登録されたことで,日本全国にある道の駅は1040となりました.関東から沖縄までの10県で新しい道の駅が登場します.利用可能となる日はそれぞれ異なり,2015年4月にかけて順次オープンしていくようです.

 

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(出所)国土交通省道路局ホームページより.

 

新たに登録された道の駅のなかには,温泉施設や体験農園,展示室が併設されている駅もあります.さらに簡易郵便局を設ける予定のある道の駅もあるようです.ドライブ中にちょっと休憩するだけの場所ではないのですね”

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅の基本機能

 

道の駅は「休憩機能」「情報発信機能」「地域の連携機能」の3つの機能を併せ持った施設です.国土交通省のホームページでは,「「道の駅」は創意工夫により道路利用者に快適な休憩と多様で質の高いサービスを提供する施設」と定義されています.道の駅には,無料の駐車場や24時間利用可能なトイレ,地域に関する情報提供コーナーが必ず備えられています.


道の駅は休憩を目的として利用する人もいますが,地域の情報や観光情報も提供されているため旅程に組み込んでいる人もいます.その地ならではの食事を味わえたり特産品を購入したりできることも道の駅の魅力のひとつなのですね♪


【道の駅の新たな活用】

最近では地域創生の拠点として注目されているようです.
道の駅数増加に伴い「通過する道路利用者へのサービス提供の場」から「地域の課題を解決する場」に成長したと指摘されています(国土交通省報道発表資料「「道の駅」の第41回登録について」平成26年4月4日).また国土交通省道路局(2014)によると,道の駅は「まちの特産物や観光資源を活かしてひとを呼び、地域にしごとを生み出す核へと独自に進化」したとのことです.

まち・ひと・しごとがキーワードです.
内閣官房を構成する組織のひとつとして2014年9月3日に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されました.「まち・ひと・しごと創生本部」人口急減や高齢化とった日本が直面する大きな課題に政府が一体となって取り組み,地域の特性を活かした持続的な社会を創生することを目指して設立された組織です.

「まち・ひと・しごと創生本部」では以下の3つの視点を通し,魅力あふれる地方の創世し地方への人の流れを作ることを目指しています.
・若い世代の就労,結婚,子育ての希望の実現
・東京一極集中の歯止め
・地域の特性に即した地域課題の解決

3つ目の視点である地域の特性に即した課題解決において道の駅の貢献が期待できますね“

現在でも地方経済の活性化を目的として設立された道の駅は数多く存在しますが,道の駅を地方創生の拠点とするモデル箇所として選定するようです.
推薦や企画の審査を通し重点「道の駅」として選定された道の駅には,経済産業省や農林水産省,観光庁といった関係機関から支援が行われる予定です.

観光地の情報提供や雇用の促進だけではなく,役場機能などの福祉施設を備えた道の駅や特産品のブランド化を通した産業振興形の道の駅といったさらなる役割が求められています.
これらの機能を備えた道の駅が地方創生拠点の道の駅として支援対象となっているようです.
道の駅を拠点とした活動は,日本の抱える問題の解決の糸口となるのでしょうか.

道の駅は,地域経済活性化の拠点だけではなく防災拠点としても注目されています.
東日本大震災時には自衛隊の活動拠点となった道の駅もあり,避難者を受け入れや,炊き出しを実施した道の駅もあるようです.全国の道の駅の中には地域防災計画で避難所に指定されている道の駅もあります.
長野県では防災機能を道の駅の4番目の機能と位置づけ,防災倉庫や発電機の設置など「道の駅防災機能強化事業」が進行中です.


道の駅には3つの基本コンセプトを超える新たな役割が期待されているようでね”
道路利用者だけではなく,地域とのつながりを深化させることで活躍の場を広げているようです.
道の駅モデルが地方経済活性化の先駆的な成功例と評価され,継続・発展していくと良いですね.

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅の数

 

道の駅は1991年より実験的に設置されていましたが,正式に認定されたのは1993年です.1993年4月22日に全国で103箇所が登録されました.道の駅が認定されてから約20年が経過し,現在(2014年10月末)は1040駅が登録されています.

 

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(出所)データは国土交通省道路局ホームページ.

 

道の駅は増加し続けているのです.
ドライブを楽しむ人や高齢者ドライバーの増加により,いつでも気軽に立ちよれる休憩の場が一般道路に求められるようになったことが設置の背景にあります.最近では,テレビ番組で取り上げられるなど,さらに人気を集めているようです.

 

「道の駅」として申請し登録されることで,国土交通省のホームページで紹介されたり道の駅の本(「道の駅旅案内全国地図」など)で紹介されたりします.温泉施設などは,単独で営業しプロモーション活動を行うよりも良い宣伝効果が得られそうですね.

国土交通省によると道の駅の目的は「道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供、並びに地域振興に寄与すること」にあります.
休憩施設や道路情報の提供といった基本機能は重要です.ブームに乗って一時的に人気が高まり人々を集める場所なのではなく,基本機能を継続的に果たし,安全や生活,地域振興に貢献できる道の駅として経営・運営が続けられると良いですね”


国土交通省道路局のホームページにある[全国「道の駅」マップ]を見ると整備中と表示されている道の駅があります.オープン予定を含む1040駅中のほんの数駅ですが供用できない道の駅もあるようです.「整備中」の定義は分かりませんが,工事などが行われている場合トイレなどが利用できないかもしれませんね.
(平成27年3月31日まで休業の青森県の道の駅 いまべつは「整備中」ではなく「休業中」と書かれていました.)


【シンボルマーク】
1040駅ともなれば,道の駅を目にする機会が多くなったと思います.道の駅のシンボルマークを見たことはありますか?

 

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青い文字で書かれている看板の,左上のマークです.このように道路に設置されている看板にも描かれています.レシートやビニール袋にデザインされていることもあります.

このシンボルマーク,
左側は木と駐車スペースを表しており,駐車場に続く道路と合わせた部分で“道”の“しんにょう” をイメージしたものとなっている.また,人形はインフォメーションの“i”をかたどっており,地域の情報発信機能を持っている事を意味しているのだそうです.
旅行者に対するツーリストインフォメーション(iマークが目印)と同じですね” 

 

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シンボルマークはもちろん統一されていますが,各道の駅には「道の駅のスタンプ」が設置されており,それぞれの特性を生かしたデザインとなっています.
地域や期間を限定してスランプラリーが開催されることもあります.また道の駅には「記念切符」もあります.しかし,販売は一部の道の駅に限られておりすべての道の駅で販売しているわけではありません.

  

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 登録抹消

 

増加を続ける道の駅ですが,登録抹消となった道の駅も存在します.
京都府にあった道の駅「茶処 和束」(2004/3/30登録抹消)と兵庫県にあった道の駅「道の駅山崎」(2013 /4/1登録抹消)です.これらの道の駅が登録抹消となった要因は述べられていませんが,国土交通省の道の駅『新規登録案内要項』には登録を取り消す場合が記載されています.
同資料によると,24時間利用可能な駐車場,トイレ,電話の設置や地域に関する情報の提供などがなされていない場合,つまり,国土交通省が規定する「道の駅」のコンセプトに該当しない場合や登録者が設備の維持管理といった義務を遵守せず適切なサービスが提供できない場合は,当該施設の登録を道路局長が取り消すことができるとしています.

 

リニューアルオープンした道の駅もあります.
山梨県の道の駅「富士川ふるさと工芸館」です.この道の駅は無期限使用休止となっていたのですが2014年7月17日に「みのぶ 富士川観光センター」としてリニューアルオープンしたようです.

 

1040駅...全部お散歩するのは大変だなぁ.

 

つぎは何を調べてみようかなぁ...

 

【参考ホームページ・参照文献】

 

国土交通省道路局(2014)「「道の駅」の第42回登録について」,Press Release 平成26年10月10日.
国土交通省道路局(2014)「「道の駅」による地方創生拠点の形成」,Press Release 平成26年8月28日.
長野県建設部 道路管理課(2014)「長野県の道路管理の取組みについて」,道路行政セミナー, 2014.1.


首相官邸
「まち・ひと・しごと創生本部」:http://www.kantei.go.jp/jp/headline/chihou_sousei//