【訪問日:2014年3月】
今日は大分県の道の駅「いんない」でお散歩です.
今日はパラパラと小雨が降る日で,しっとり空気の中でのお散歩です.
院内は石橋が有名な町です.道の駅「いんない」にも石橋をデザインしたモニュメントがあります.
【院内町の石橋】
全国で最も石橋が多い地は大分県なのだそうです.
大分県でも特に宇佐市院内町には75基の石橋が残されており,めがね橋といわれるアーチ型の橋は64基あります.これらの石橋は江戸時代の終わりから昭和のはじめに架けられたようです.
院内町に石造の橋が多い理由は,深い谷に集落が点在しているためと言われています.また急な川の流れに耐えられる石橋が必要とされていた背景もあるそうです.
基本的には地形のために石橋が多いということですが,院内には優れた石工たちが存在したという点や材料となる石が豊富に存在していたことも挙げられています.この地域では,古くから段々畑を区切る石垣や水路が作られていました.そのため,石を用いた建築の技術が発展していたようです.
本格的なアーチ設計の技術を学び,10基以上の石橋を架けた人物が松田新之助(1867-1947)です.彼は院内の地形に適合したアーチ橋を設計しました.現在でも「鳥居橋」や「中島橋」など彼の手がけた石橋を見ることができます.
道の駅「いんない」にはパンフレットなどがあり,町内に点在する石橋に関する情報を集めることができます.日本一の石橋の郷「院内町」を観光する際は,ぜひ寄ってみましょ~”
大きなモニュメントだけではなく,小さな石橋もあります.
道の駅「いんない」の駅舎は「石橋ステーション」といいます.
石橋ステーション内は,特産物販売コーナー・情報展示ホール・レストランの3つに分かれています.
特産物販売コーナー
ますは特産物販売コーナーを見てみます.
野菜や特産品お柚子を用いた加工製品,お惣菜,パン,お土産用のお菓子などが販売されています.乾しいたけのコーナーもありました.
院内町は西日本有数の柚子の生産量を誇る町なのだそうです.
「柚子ドレッシング」や「柚子ごしょう」など調味料系に加工したものや「柚子ジャム」のように甘く仕上げたものもありました.柚子風味のそうめんも販売していた気がします.
柚子の加工は1981年より始められたそうです.今では「柚子こしょうマヨ」という製品まで誕生しています.
なんと20万本! ヒット商品のようです.
大分県は「カボス」の生産量が多く,全生産量の9割以上を占めることで有名ですが,院内町の特産物は「柚子」なのですね”
カボスの生産量を円グラフで示すとこのようになります.
(農林水産省「特産果樹生産動態等調査(平成23年産)」より)
カボスは,大分県の竹田や臼杵(うすき)地方が主産地であり,古くから薬用として民家に植えられていたそうです.1965年頃に県がカボスの生産を奨励したことが要因となり,栽培面積や生産量が増加しました.
大分県カボス振興協議会のホームページには,柚子やすだち,レモンなどの香酸柑橘類の味を味覚センサーで分析した結果が掲載されていました.カボスは香酸柑橘類の中では酸味が低く,甘みが強いようです.酸味の低さは食材や料理の味を邪魔せず,それらの良さを引き立てることに貢献するようです.
道の駅「いんない」では,カボスを用いた加工品も扱っていました.
「かぼすごしょう」と「ゆずごしょう」...どっちにしようかなぁ”
カボスを使用したお菓子もあります.
「かぼすナッツサブレ」です.
あ”...よく見ると“Natu”になっています.でも,本体(箱)の方は“Nuts”なので大丈夫です♪
情報展示ホール
道の駅「いんない」では,国の特別天然記念物が特別公開されています.
オオサンショウウオです.
「オオサンショウウオも間近で見ることができきる」とのことですが,どこにいるのかな...?
岩の隙間から少し見えているのが,オオサンショウウオかなぁ…
オオサンショウウオは岩の中で静かにしていて,なかなか出てきません.でも,岩の中でゆっくり動いています....手が見えました!! 丸っこい小さな手が見えました.
体長1mを超える世界最大の両生類ですが,全体を見るのは難しそうです.
でも,大丈夫♪
剥製も展示されています.
こちらは駅館川(やっかんがわ)の工事中に保護された後,2011年まで飼育されていたオオサンショウウオです.剥製標本となったオオサンショウウオの全長は78cmと書いてあります.
水槽の中で飼育されているのは100cm以上あるそうなので,もっと大きなオオサンショウウオが岩の中にいるということですね.
オオサンショウウオは,大分県宇佐市を流れる駅館川,そしてその支流の余川(あまりがわ)に生息しています.この院内町が生息地の南限なのだそうです.
レストラン
続いては,レストラン「柚子の里」です.
レストランは10時から営業しています.
猪,どじょう,鹿などの山の幸を活かしたメニューを提供しており,特に猪飯がオススメとのことですが,どうしても気になりました.
「鹿 刺身」(800円)です.
凍ったままで出てきました.
生姜をのせてお醤油で...いただきます.柚子ではないのですね”
鹿って刺身で,生で食べることができるのですね”
脂っぽさはなく,さっぱりしていました.柔らかく,筋が残ることはありません.臭みは一切ありませんでしたが,もう少し溶けたほうが,味がよく分かったのかなぁ...でも,もしかしたら,お店の人が出してくれたこの凍った具合がベストなのかな???
鹿が生で食べられるだなんて,近辺で採れる新鮮な鹿肉を冷凍保存しているのかな...と思っていたのですが,会計の時におばチャンが教えてくれました.
「鹿はニュージーランド産だよ! ニュージーランドは安全性が世界最高水準だからね」とのことです.
やっぱり,オススメのしし肉もいただきます.
「ししうどん」の単品です.単品の値段は忘れてしまいましたが,7品からなるセットは1100円でした.
甘いスープに,つるつるのうどんが入っていますです.お肉からも出汁が出ているのかもしれないですね” しし肉の脂身部分も甘さがあって美味しかったです.
そして,やっぱりドジョウもいただきます.
「どじょうの蒲焼」(800円)です.
多分・・・お頭付きのドジョウの蒲焼でした.
臭みなどなく,山椒が効いていて美味しかったです.小骨も気になりませんでした.
【大分県のドジョウ養殖】
大分県はドジョウ養殖において「高密度養殖」という技術を開発し,2006年から養殖が開始されています.この技術を用いることで,それまで行われていた「水田養殖」の約100倍の密度で生産できるようになったそうです.
コンクリートの生簀内で泥を使用せずに養殖できるため,泥臭さのないドジョウとなります.さらにビニールハウス内で養殖されるため,病原菌の混入を防ぐことができます.また水温を25℃程度に維持することもできます.ドジョウは低水温下では地中に潜るという習性があるので,泥を用いない環境で養殖するには水温維持が重要なのです.
このような環境の下で養殖された高品質の大分県のドジョウは,トキの餌として佐渡トキ保護センターにも出荷されているようです.
大分県のホームページによると「屋内式養殖を行っている県は大分県だけなので、大分県が全国一の養殖どじょうの産地」なのだそうです.県内でも宇佐市での生産が多く,宇佐市院内町も「高密度養殖」の技術を用いて美味しいドジョウを養殖しています.泥臭さが気にならないドジョウは,ドジョウ本来の旨みを十分に味わえるのだとか.
道の駅「いんない」のレストランには「どじょうセット」(2800円)というメニューもありました.10品からなるセットでは,唐揚げやドジョウ汁,柳川鍋などの様々に調理されたドジョウを味わうことができます.『要予約,3日前,2名様から』と書かれていました.
さっき,オオサンショウウオの水槽に一緒にいたのは...もしかして...
ドジョウかなぁ...?
ソフトクリーム
柚子ソフトクリーム300円です.右端に写っています.外にある売店で販売していました.柑橘類の柚子ですが,少し甘めのソフトです.大きくて,シャーベット風のソフトクリームでした.
道の駅スタンプ
レストラン入口前にありました.ちょっと薄くなってしまいましたが,石橋とゆずがモチーフです.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | いんない(大分県‐08) |
住所 | 大分県宇佐市院内町大字副1381-2 |
アクセス | 国道387号線沿い |
関連サイト | http://www.usa-kanko.jp/spots/detail/41 |
ポイント | 刺身用の鹿肉はNZ産 |
宇佐市ホームページ:http://www.city.usa.oita.jp/
宇佐市観光協会:http://www.usa-kanko.jp/
大分県カボス振興協議会:http://www.oitakabosu.com/
大分県ホームページ:http://www.pref.oita.jp/
大分どじょう吉野養殖場:http://oita-dojyo.com/index.html