道の駅 「耶馬トピア」の思ひで…

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 【訪問日:2014年3月】

 

今日は大分県の道の駅「耶馬トピア」でお散歩です.

 

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駐車場の近くには,立喰コーナーの「同門そば」,特産物を販売する「産直マーケット」,「休憩所」があります.

 

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駐車場から少し歩いたところには,そば打ち体験のできる施設や「ふれあいステーション」,さらに耶馬溪(やばけい)の歴史資料を展示している「耶馬溪風物館」がります.

「耶馬トピア」の中には,山国川の支流である跡田川が流れています.広い敷地内には遊歩道が整備されているようです.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 本耶馬渓の蕎麦

 

中津市本耶馬溪町の特産品は『そば』です.
朝夕の寒暖の差が大きく,そばの栽培に適したこの地では古くから蕎麦づくりが行われていました.また,蕎麦づくりが盛んな背景には,本耶馬溪町が転作作物として蕎麦の栽培を奨励しているということもあるようです.

 

本耶馬渓産そばを特産品とし,町おこしを行うための中心的な施設が道の駅「耶馬トピア」です.

九州労働金庫の広報誌『夢ろうきん』には,道の駅「耶馬トピア」の支配人のコメントが掲載されていました.「耶馬トピア」は野菜よりも“食”に力を入れた道の駅でオープンに際し,そばの栽培から手がけることにしたのだそうです.

中津市で収穫されたそばの多くが道の駅「耶馬トピア」に集められ,適切な管理のもとで貯蔵されます.ここにはそば蔵が設置されており,1年を通して温度5℃湿度60%で管理しているのだとか.そば蔵には,毎年20トン前後の玄そば(黒い外皮の付いた状態のもの)が入ってくるそうです.道の駅の敷地内には製粉加工工場もあります.

道の駅「耶馬トピア」の「ふれあいしテーション」内には,石臼で引いた地元産100%のそば粉を使用蕎麦が味わえる「そば処 石臼亭」があります.

 

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お食事処は営業中”さっそく,同門そばを食べに行ってみます♪

 

「石臼亭」では自前の石臼で挽いた本耶馬渓産そばを頂くことができます.石臼亭のこだわりは,年間を通して風味豊かな蕎麦を提供する事です.そのため貯蔵施設にある玄そばを必要なときに必要な分だけ石臼で挽いて粉にするそうです.石臼でそばを挽くのは摩擦熱で風味が損なわれないようにするためなのだとか.また,調理にもこだわりがあり,打ちたて・茹でたての蕎麦を提供できるようにしているようです.

ざるそば(610円)を注文しました.

 

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ツヤのあるみずみずしい蕎麦が来ました.
麺は短めで,コシが強すぎない蕎麦でした.そばつゆは辛くなく,美味しく頂きました.

「ふれあいステーション」内には,そば道場がありました.

 

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混雑状況によりますが,予約をしていなくてもそば打ち体験(受付時間10時-14時)できるそうです.体験時間は50分程度で,1台(5食分の蕎麦)3150円と書いてありました.自分で打った蕎麦を食べることもできるようです(1食210円).

 

「ふれあいステーション」では,特産品の販売も行っています.
耶馬溪名産の巻柿(600円)もあります.

 

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「巻柿」とは,干し柿の果肉だけを何層にも重ね,竹の皮とわらで包み縄で巻き上げた伝統菓子です.薄くスライスして食べるそうです.

もちろん,そばに関連した製品もあります.

 

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そばがらです.どっさり入っています.

食べられるそば関連製品も販売しています.お散歩をした日は,ワゴンセールになっていました.「蕎麦ラーメン」や「そば風味そうめん」など,ちょっと変わった製品もあります.そば粉を原材料に用いた商品は,地元企業と提携して考案しているそうです. 

 

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特産品は,駐車場脇の「産直マーケット」でも販売していました.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 耶馬溪風物館

 

「ふれあいステーション」の隣には「耶馬溪風物館」があります.

 

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お散歩をした日は,ひな祭りの特別展が開催されていました.
つるし雛など何種類かの雛人形が展示されていました.階段状のひな壇ではなく,平面に飾られた雛人形は珍しいなぁと思いました.

 

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常設展示はいくつかのコーナーに分かれており,「青の洞門」を紹介するコーナーもありました.青の洞門ができるまでの経緯を映像で紹介しています.また禅海和尚(ぜんかいおしょう)直筆の木製墨書も展示されています.

他にも,この地方で使われていた生活用具や考古遺物が展示されるなど耶馬溪の歴史や文化を知る事のできる資料館です.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅「耶馬トピア」周辺観光地 

 

道の駅「耶馬トピア」のある耶馬溪町は,景勝地として有名です.

耶馬溪とは,大分県北西部,山国川の支流も含めた広い地域を耶馬溪といいます.景勝地として有名な耶馬溪には侵食によってできた奇岩がそそり立ち,森林と渓谷の織り成す景色を見に多くの人が訪れるようです.
名勝「耶馬溪」66景のうち,17景が本耶馬渓町にあります.その中でも特に有名なのが青の洞門のある競秀峰(きょうしゅうほう)です.

 

【青の洞門】

道の駅「耶馬トピア」は国道500号沿いの史跡「青の洞門」と「羅漢寺」の中間にあります.

 

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今回は,青の洞門に行ってみることにしました.
青の洞門とは禅海和尚が中心となり,競秀峰の裾野に掘ったトンネルのことです.

 

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旅で耶馬渓を訪れていた禅海和尚は,難所であった「鎖渡しの道」で多くの人や馬が山国川に転落し,命を落としている現実を知ります.当時,この道は断崖絶壁に鎖がかけられるのみで非常に足場が悪かったそうです.

1735年,禅海和尚はこの地に安全な道を造ることを決意し,ノミと槌(つち)を用いて工事に着手ました.

 

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また,近隣を周り托鉢(たくはつ)によって資金を集め,石工を雇い掘削作業を行ったそうです.
耶馬溪風物館に展示されていた資料によると,全長は360mにも及びます(トンネル部分は144m).掘削作業には村人も加わり,この洞門が完成したのは1764年のこと.崖下に30年もの歳月をかけトンネルを掘ったのです.

 

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明治39年から翌40年にかけて大改修が行われるなど時代を経るに連れて,青の洞門は大きく姿を変えたようです.しかし,明り採り窓やノミの跡など,禅海和尚手彫りの洞門が一部,残されています. 

 

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ところで...
青の洞門は第一期の工事が終了した1750年以降,「人4文,牛馬8文」の通行料を徴収して工事の費用に充てたそうです.このことから「日本で一番最初に通行料をとったトンネル」と紹介されています.

そういえば,静岡県の道の駅「宇津ノ谷峠」の近くにあった「明治のトンネル」も「日本初の有料トンネル」と言われていたような気が...

明治のトンネルが完成したのは1876年なので,青の洞門の方が古いですね” もしかしたら,“洞門”と“トンネル”は別ということでどちらも「日本で初めて…」なのかもしれません.うん,そういうことにしときましょ~.

 

【競秀峰の景】

青の洞門の上にそびえ立つ競秀峰.
写真では伝わりませんが...8つの岩が連なる競秀峰は耶馬溪を代表する景勝地と言われています.

 

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青の洞門の駐車場には「競秀峰めぐり」の案内図が設置されていました.妙見窟や展望台があるようなので行ってみることにしました♪

 

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妙見窟まで300mと書いてあります.この道なら大丈夫♪


すぐに着くかなぁ...と考えていましたが,そんなことはありません.

 

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一応,整備されている道を頑張って登りました.息も切れてきて...それでも妙見窟を目指しました.
次に出てきた看板が...

 

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妙見窟まで250m...全く進んでいません.


引き返そうと思いましたが,たぶん,この山の中にお散歩に来るのは最後だと思うので...先へ進むことにしました.
あと200m.

 

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もう,道っぽいものはありません.登ります.階段のようになっていますが,段差が大きくて,しかも幅が狭いです.


...そして,たどり着きました.

 

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妙見窟です.きっとこれです.ゆっくり観る心の余裕がほとんどありませんでした.
そこで見つけたのがこの看板.

 

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先へ進んで,展望台を目指すことにしました.

道はさらに険しくなり,気が倒れて行く手を塞いでいます...

 

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でも,進みます.

 

やっと着きました.そして,こちらが展望台からの眺め

 

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ずんぶん登ったなぁ.いい景色です.この景色を見て,ドイツのライン川の「ローレライ」を思い出しました.

 

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展望台からの眺めは,ドイツといわないとさっぱり日本と見分けがつかません.耶馬渓の実力もなかなかですね.

 

展望台は高い位置にあるので,山を下っていく必要があります.また山道を歩きます.でも,展望台までの上りよりも,比較的歩きやすい道でした.

 

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やっと下山できました.
今日はとってもハードなお散歩になりました.ソフトクリーム分のカロリーは消費できたかなぁ...?

 

安易に「競秀峰めぐり」をしたら大変なことになりますが,ぜひ登ってみたいという方は「競秀峰探勝道MAP」を参考にしてください.

このマップを見ると,今回は「公共駐車場から観光案内所」のコースをお散歩したようです.あれ...初級コースなの...?

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソフトクリーム

 

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そばん子ソフト(350円)です.駐車場脇の売店で販売しています.
焙煎したそば粉がかかっています.芳ばしいそば粉とバニラアイスの相性が良いです.ソフトの下の方にはコーンフレークが入っていました.

 

「焙煎そば粉・そばんこ」は特許を取得している製品で,十割そばを打ちやすくした特選の焙煎そば粉なのだそうです.乳製品やサラダにふりかけて食べても良いのだとか.売店だけではなく「ふれあいステーション」でも販売していました.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

 

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「ふれあいステーション」と駐車場脇の施設の両方にあったと思います.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 耶馬トピア(大分県‐06)
住所 大分県中津市本耶馬渓町大字曽木2193-1
アクセス 国道500号線沿い
関連サイト http://www.city-nakatsu.jp/kankou/syukuhaku/2011092900107/
ポイント 蕎麦にこだわる道の駅

 

【参考ホームページ・参照文献】

九州労働金庫(2011)「清流の癒しステーション道の駅「耶馬トピア」大分県中津市」『夢ろうきん』2011年5・6月号, pp.3-4.

一般社団法人 九州地域づくり協会:http://www.qscpua.or.jp/dobokuisan/index.html
そば処石臼亭 洞門そば:http://www.doumonsoba.com/index.html
中津市ホームページ:http://www.city-nakatsu.jp/