道の駅 「佐賀関」の思ひで…

 

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今日は大分県の道の駅「佐賀関」でお散歩です.

 

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国道197号を別府湾沿いに走ると道の駅「佐賀関」に到着です. 

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 佐賀関ブランド 

 

佐賀関は大分県の東端に位置し,大分県では四国に最も近い場所です.四国まではフェリーが出ており,佐賀関-三崎間は70分です.
佐賀関町の「関あじ・関さば」はブランド魚として有名です.(ブランド鯖については「道の駅 「松浦海のふるさと館」の思ひで…」 を参照).

 

【関さば・関あじ】
「関さば・関あじ」とは,佐賀関沖で一本釣りされたマアジ・マサバの事です.
豊後水道の中で最も水路が狭い豊予海峡は,瀬戸内海と太平洋の潮流が激しく交じり合う場です.速吸の瀬戸とも呼ばれるこの環境で育ったサバやアジは,身が締まり歯ごたえが非常に良くなるのだとか.またエサとなるプランクトンが豊富に発生することから,脂ののりも良くなるそうです.

「関さば・関あじ」は高級ブランド魚として全国的に知られています.

 

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しかし佐賀関で採れたからといってすぐに「関さば・関あじ」になれるわけではありません.
ブランド魚には条件があります.大分県漁業協同組合佐賀関支店の組合員による「一本釣り」であることと「面買い」であることです.
面(つら)買いとは,生簀で泳いでいる魚を見て直接価格を決める方法です.身を傷つける恐れのある計測は行わず,経験に基づき重さを見極めるそうです.一本釣りをすることで魚へのストレスを最小限にし,活きたまま漁港(佐賀関幸の浦港)へ運ぶことができるのです.
「活きじめ」という処理も美味しさを保つ秘訣です.神経や血を抜き氷を入れた海水で冷やすことで活きの良さを持続させます.生きたままにするよりも美味しさを保つ事ができるのだとか.種類や漁獲日ごとに別々の水槽に入れるなど,徹底した品質管理が行われています.

 

「関さば・関あじ」は佐賀関だけの地域団体商標として登録されており,大分県漁業協同組合佐賀関支店から出荷されるアジ・サバには地域団体登録商標を証明するタグが添付されます.

 

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これは道の駅「佐賀関」の産直コーナーの掲示物です.写真では確認しにくいですが,魚には丸いシールのようなものが付いています.品質・ブランドを守る努力が続けられているのですね”

 

「関さば・関あじ」は特別な名前のついたマサバ・マアジということではありません”
「関さば・関あじ」はマサバ・マアジの種類に属しますが,独立した群れ(系群)なのではないかと言われています.生態的な違いの認められる地域個体群のことを「系群」というそうですが,「関さば・関あじ」が系群なのではないかとの見解は以下の研究に基づきます.
魚類の鮮度保持に関する研究を行う大分大学の望月聡教授は「関さば」は脂の量が年間を通してほぼ一定との研究結果を報告しています.これは季節によって脂の量に変動がある一般の鯖とは異なります.
「関あじ」は金色味を帯びており,この特徴が系群である事の有力な証拠となっています.また, 大分県水産試験場は,佐賀関周辺の速吸の瀬戸で「関あじ」の稚魚が生まれ佐賀関沖の漁場に住みつくらしいことを確認しています.
さらに「関さば・関あじ」は回遊せずに一ヵ所の瀬に住みつく「瀬付き魚」と言われています.佐賀関の海底地形が起伏に富んでいることや一年を通じた水温変化が少ない事が佐賀関の海域だけに生息する要因です.

 

まさに佐賀関だけの「関さば・関あじ」なのですね”
関さば・関あじは,道の駅「佐賀関」から発送できない地域もあるようでした...やっぱりここに来て食べなくちゃですね”
さて,前置きが長くなりましたが…道の駅「佐賀関」へ.「関さば・関あじ」が楽しみです♪

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 特産品コーナー 

 

店内には,関さば・関あじだけではなく,ひじき・いりこなどの海産物や農産品,お土産用のお菓子,お弁当・お惣菜がありました. 

 

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店内撮影禁止とのことですが、今回は,「おさんぽわんこ道の駅編」取材ということで許可を頂きました.
見て回るのにちょうど良い広さです. 

 

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「かぼす」は大分県の名産品ですね”(道の駅「いんない」の思ひ出 を参照).
右の写真はお饅頭です.あんこや芋あん入りのものや,ねぎ味噌,高菜,ひじき,きんぴら味,肉まんといったお惣菜系もありました.フワフワしていて美味しそうですが,関さば・関あじのために我慢します...お惣菜コーナーには,あじ寿司やとり天弁当がありました.

 

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冷凍干物も販売しています.「かぼすさば」というのもありました! かごいっぱいに海産物を買って帰るお客さんを見かけました.
さらに「関あじ最中」も.これなら遠くてもお土産にできます♪

 

佐賀関の特産品は「関さば・関あじ」だけではありません.「くろめ」という海藻も佐賀関の特産品です!! 

 

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【クロメ】
「クロメ」とはコンブ科の海藻です.細かく刻んだ時の粘りが特徴です.
本州南部から九州沿岸に自生していますが,潮の流れや水質に特徴のある豊後水道海域では肉厚で風味豊かなクロメが育ちます.従って佐賀関沖合の高島名産品となっているのです.佐賀関地域では古くから家庭料理の食材として活用されており,細かく刻んで味噌汁やうどんに入れたりご飯にかけたりして食べているそうです. 

 

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「佐賀関」では味付きクロメや刻んで冷凍されたクロメも販売していました.

収穫は新芽の伸びる冬(1月中旬から3月中旬)に行われます.この時期に採るとやわらかで渋味がないのだそうです.またクロメは魚介類が繁殖する磯場を形成するため漁期が限られているのだそうです.
天然のクロメは昆布やワカメよりもミネラル・栄養が豊富と言われており,カルシウムや鉄分,カロテンといった栄養素が含まれています.また食物繊維も豊富なのだとか.最近ではスキンケア,ヘアケア商品としての活用も注目されています.「佐賀関」でも石鹸が販売されていました.

 

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「佐賀関」の特産物コーナーでは,粉末タイプのクロメやひじきのよう乾燥させたものも販売しています.また,お湯を注ぐだけで食べられるお味噌汁の素やくろめ醤油もありました.
クロメはいろいろな商品に加工されているのですね.そう...いろいろに加工されているのです.

 

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「くろめクッキー」を見つけたのでお土産に買いました.“香ばしい醤油味”のクッキー.気になります.
そして道の駅「佐賀関」のイチオシが『クロメ入りたこ焼き』です.クロメの特徴である粘りを残すことにこだわって開発したそうです.さらに...クロメはスウィーツとしても活躍しているのです.

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 食事スペース 

 

レストランが併設されているわけではありませんが,道の駅「佐賀関」では美味しいお食事(10:30~15:30)をいただけます♪ 特産品コーナーの窓側にカウンター席が設けられています.テーブル席もありましたよ. 

 

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関さば・関あじ,クロメ,ごまだし...何を食べようか迷うなぁ”
結局,関さば丼(1050円),関あじ丼(950円)の両方を注文しました! くろめ汁(100円)も付けました♪ 

 

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くろめ汁は粘りがあり,コリコリした歯ごたえです.体も温まります.さわやかな磯の香りがしました.丼のご飯は白ご飯で,少し暖かいです.
関さば丼は数量限定なので,品切れになることがあるそうです.食べることができて良かった♪


鯖はお刺身で食べられること自体珍しいですよね” 臭みなどは一切ありませんでした!! 身もキレイで,鯖とは思えない(ブリのような)色をしていました.身は硬すぎず,甘味があります.
鯵は程よい脂がのっており,身がプリプリしていました♪ 今まで食べていた鯵のお刺身とは違います.独特の匂い(青魚特有の臭み)がしません” それに,大きな切り身でした!

甘い醤油ダレとの相性もばっちりです.関さば・関あじは少しタレに漬けてあるのかなぁ? 味が濃すぎなくて美味しいです.そうそう,九州では甘い醤油もスーパーなどで普通に販売されています.

 

ところで,くろめ汁が入っているお茶碗,いいなぁ” 熱くても持ちやすく,使いやすかったです.

 

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もうお腹いっぱいですが,どうしても美味しそうだったので...お惣菜コーナーの「いも天」を買ってしまいました.100円です.塩味が付いていて,優しい甘さが引き立ちます.ねっとりした感じのサツマイモでした♪

 

「クロメ入りたこ焼き」も気になったけれど,もうお腹いっぱいです.今度お散歩に来たら食べます.
せっかくカウンター席に座ったのに,美味しい関さば・関あじに夢中になり,海を見忘れました.でも大丈夫” 「佐賀関」には展望台があります♪

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 展望台 

 

展望台からは別府湾,豊後水道を一望できます.美味しい関さば・関あじは泳いでいるかなぁ!? 

 

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駐車場からの景色も良いですよ♪
そういえば,道の駅の第二駐車場というのもありました.大分市方面から来ると道の駅「佐賀関」手前にあります.たくさんのお客さんが来るのですね” 

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 近くの観光スポット 

 

【活魚料理処 関の瀬】
道の駅「佐賀関」でも十分に美味しい料理が楽しめるのですが,関さば・関あじを味わえるお店も紹介します.
今回頂いたのはこちら(訪問は2013年12月). 

 

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「関アジ御膳」(2000円)と「関サバ御膳」(2500円)です.もちろん” 美味しかったです♪ 「関アジ・関サバ御膳」(2900円)という佐賀関のブランド魚を両方共お刺身で味わえるメニューもありました.御膳料理だけではなく,お造りやお寿司,定食や丼ものもあります.

参考ホームページ:大分を味わう 味な情報局

 

  【関崎海星館】
関崎海星館は大分市の展望・天文台施設です.
道の駅「佐賀関」から東へ,半島の端っこを目指します.かなり狭い山道を車でクネクネ登っていくと...ありました!

 

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道の駅からは車で30分くらいです.途中は山の中に入って不安ですが,あちこちに看板がありますので迷わずに行けます.
1階の展望室や外の展望スペースからは,海を望むことができます.

 

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関崎灯台や高島,さらには四国の佐多岬を見ることができます.
一方,天体観測室からは,宇宙を望むことができます.60cmの反射望遠鏡で天体観測ができるのです♪
1階の展望室やショップは無料ですが,天体観測室やアストロシアターには利用料が必要です(大人420円).昼間でも太陽を観察することができるとのことなので,天体観測室へ行ってみることにしました.


観察対象に合わせて望遠鏡と屋根が動きます.

 

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望遠鏡を覗くと...難しい.天体観測にはコツがいるようです.焦点が合わなかったり,マツゲが入ってしまったり...でも,スタッフさんが丁寧にコツを教えてくれました♪  遠くを見るようにすると良いようです.

 

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あ!! 見えた見えた.太陽だ.プロミネンスも確認できました.今日は晴れていて良かった♪
昼間でも見えるアルクトゥルスという星も観察しました.望遠鏡を覗くと,オレンジ色に光る星が見えました.


山道をクルクル登った先に,こんなにすごい施設があるだなんてビックリです♪
今度は夜にお散歩に来たいなぁ” 当たり前ですが,屋根が空いているので冬は寒いです.今回のお散歩は昼間でしたが,夜はもっと寒いそうです...防寒対策を忘れずに.

アストロシアターでは「季節の星座」を上映しているそうです...残念ながら今日は時間がなくて見ることができませんでした.

 

流星群の観察会や講座など定期的にイベントを行っており,夏休みには星を観察に来る子供達でいっぱいになるのだとか.天体に関する質問もでき,楽しく学べる施設です.カフェやショップも併設されていました.


公式ホームページ:関崎海星館

 

【黒ヶ浜】
「関崎海星館」は山の上にありますが,その山を下ると,黒ヶ浜に到着です.
黒ヶ浜の名前の由来は,蛇紋岩(じゃもんがん)と呼ばれる黒い石によって海岸が黒く見えることにあります.

 

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確かに,黒く見えます.今日は良い天気なので,海がキラキラして眩しかったです.写真の奥の方には小さくですが「ビシャゴ岩」が写っています.
ここは日本の渚百選のひとつなのだとか.海の水が透き通っていて,綺麗でした.海岸には釣りをしている人がいましたよ♪

 

参考ホームページ:大分フォト観光ガイド(大分市の海水浴場)

 

「関崎海星館」から黒ヶ浜への道は,道幅が狭いです.

 

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左上に写っている看板を見てください.「離合」とは車通しのすれ違いのこと.大分県をはじめ九州では「すれ違い」を「離合」と言うそうです.離れた後に合うなんて,ちょっと不思議な言い方ですね.「離合」の標識を見つけたら,運転に注意しましょう”
黒ヶ浜の近くには「白ヶ浜」があるんだって.今度お散歩しよぉ”

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソフトクリーム

 

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くろめソフトクリーム(400円)です.
スウィーツとなったクロメ”本物はポスターの下の方に写っています.クロメを使った秘伝の「クロメソース」がかかったソフトクリームは,カップ入での販売です.
やぎミルクからできているので,ソフトだけでも独特の味がします.が,くろめも負け得ていません.パウダー状ではなく,ソースとして海藻「くろめ」がかかっていることがポイントです!

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

 

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物産コーナー内,展望台方面にありました.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 佐賀関(大分県‐04)
住所 大分県大分市大字大平989-6
アクセス 国道197号線沿い
公式サイト http://rs-seki.com/
ポイント 関さば・関あじ,くろめを味わう

 

【参考ホームページ・参照文献】

大分県立図書館:http://library.pref.oita.jp/
大分県漁業協同組合 佐賀関支店:http://www.sekiajisekisaba.or.jp/
大分市観光協会:http://www.oishiimati-oita.jp/
くろめ.com:http://xn--y8j6e9a.com/index.html
有限会社富士見水産:http://www.sekisaba.co.jp/index.html