道の駅 「竜北」の思ひで…

 

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今日は熊本県の道の駅「竜北」でお散歩です.

 

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道の駅「竜北」は八代市から国道3号線を10kmほど北上した氷川町(旧竜北町)にあります.
氷川町は熊本県のほぼ中央に位置します.町の西部には「不知火干拓」をはじめとした平坦地帯が広がっており,農業が盛んな町です.イチゴや梨,柑橘類といったフルーツだけではなく米や野菜類,そしてい草が特産品です.


では,さっそく物産館を見てみます.

農産品・加工品を販売する「とれたてマーケット」.入口前には,何種類かの柑橘類が並んでいました.

 

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八代特産の晩白柚もあります.そして...なんと,むいた状態の晩白柚も販売されています!
これなら簡単に食べられそうです.

甘夏やデコポンなどの柑橘類はゼリーやジュースといった加工品にもなっています.
皮を甘く加工した「ぼんたん漬け」もありました.

 

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また,様々な種類の柑橘類がセットになった商品もありました.食べ比べができるのが良いですね”

 

店内にはいろいろな種類の野菜が並んでいました.朝からたくさんのお客さんが来ていましたよ!
そして,天井からはくまモンの旗がたくさん下がっていました.

 

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 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain くまもとグリーン農業

 

くまもとグリーン農業とは熊本県で行われている,環境に配慮した農業のことです.
土づくりを行い化学肥料や農薬を使わないようにし栽培することで,水道水利用の約8割を頼る地下水や自然を守っています.

 

取り組みの周知活動を含め,くまモンは全面的にサポートしているようです.
くまもとグリーン農業のマークにも,もちろん,くまモンがデザインされています.先ほどの店内の写真,天井から吊り下がっている旗の青い色のくまモンは“応援マーク”です.「くまもとグリーン農業」で作られた農産物を販売・購入する応援宣言者(企業や消費者)が応援していることを示すために,ポスターやチラシに用いるそうです.
この青色のマーク以外にも緑色の“シンボルマーク”や,農産物に表示する“表示マーク”があります.“表示マーク”は6段階あり,農薬削減量が多いほど緑色の部分が多くなります.

 

写真はうまく撮れなったのですが...「サラダ用たまねぎ」が美味しそうでした!

 

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くまモンの表示マーク付きで,くまもとグリーン農業で生産されたものです.
真っ白なたまねぎは,葉っぱ付きで売っています.葉っぱの部分は煮付けにして食べると美味しいそうです.


「竜北」の物産館では,牡蠣も販売されていました.

 

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朝の納品の時間ということもあり,お弁当やお惣菜が次々に運ばれてきていました.種類も充実しており,何を食べようか迷ってしまいます.
今日は...
「佃煮屋のタコ飯(300円)」にしました.右側の写真です.
まだ出来たてのホカホカなタコ飯は甘く煮込まれたタコがたくさん入っていました!タコは柔らかくて,美味しかったです.

 

道の駅「竜北」は施設全体を「ビストログリーン」と呼ぶようです.
オリジナルエコバックがありました♪

 

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農産品販売をする「とれたてマーケット」の隣には,地域の素材を活かした料理が味わえる「農村レストラン」があります.レストランの営業は11時-15時のようです.
今日は朝のお散歩なので,まだやっていませんでしたが,ちょっとのぞいてみます.

 

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レジで注文する料理だけでなく,自分で好きな料理を選び取って会計する方法もあるようです.道の駅「たのうら」と同じシステムですね”  


名物の梨カレー(650円)もありました.すりおろした吉野梨が入っているそうです.
今日は食べることができません.
でも物産館でレトルトの「吉野梨カレー」を見つけました.

 

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カレーに梨...と思いましたが,林檎を入れるのと同じ感じなのかもしれないですね.今だけ400円.買って帰ろう♪

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 吉野梨

 

氷川町で作られる梨は“吉野梨”というブランドで全国で販売されています.
「幸水・豊水・新高・新興」の4品種が栽培されており,最盛期は8月から11月です.

 

氷川町は熊本県の梨発祥の地で,100年もの歴史があります.
明治37年に旧吉野村堀田の迫に山田熊三郎氏が梨苗を100本植えつけたのが始まりなのだそうです.天皇陛下に献上されたこともある梨は,町を象徴する木として“町木”に指定されています.

1950年には吉野梨研究同志会が発足し,栽培技術の試験研究等が開始されています.同志会による生産技術の向上といった梨づくりは「吉野梨」ブランドを確立に貢献し,2004年からは台湾への輸出も始まっているそうです(九州農政局ホームページ「農村振興」より).

また,地元の人にも美味しい梨を味わってもらおうと,道の駅「竜北」の「ビストログリーン」が地産地消を促す役割を担っています.吉野梨は『梨パイ』『梨ジャム』『梨だれ』などの加工品も開発されており,「竜北」でも販売しているようです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain い草

 

まだまだ特産品があります.畳の原料となる“い草”です.
熊本県は,い草そして畳表(い草で作られた畳の上表面を覆っている部分)の生産量が日本一です.

 

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 (注)その他は青森,石川,佐賀,大分で構成されています.
(出所)農林水産省統計「特産農作物生産実績(平成19年)」より.

 

熊本県の2007年における収穫量は1万4800tで日本における全生産量(1万5507.9t)の約95%を占めます.熊本県内の八代市,氷川町,宇城市,あさぎり町が主生産地となっています.


畳表生産量は326万枚(平成23年度).もちろん熊本県が全国1位です.
国産畳表のほとんどが,熊本県で生産された畳表なのです(平成22年の畳表の供給数量は1942万枚で,そのうち1537万枚が主に中国から輸入されています.データは農林水産消費安全技術センター「日本農林規格の見直しに係る規格調査結果(畳表)」より).

熊本県八代市の「くまもと県産い草」と「くまもと県産い草畳表」は2016年2月に地理的表示制度(GI)に登録されています.

 

熊本畳表の歴史は1505年(永正二年)にまでさかのぼります.
上土城の城主であった岩崎主馬守忠久公(いわさきしゅめのかみただひさこう)が村人にい草の栽培を教えたことから始まりました.彼は,領内でのい草栽培を特別保護のもとに奨励しました.
千丁町ある大法寺にはい草栽培の始まりが記録された文献が残されているそうです.

 

い草は米と同じように田んぼに苗を植えつけ,初夏に刈り入れられる農産物です.米と同様にいくつかの品種があり,熊本県では「在来種 (一般的には きよなみ のこと)」「ひのみどり」「夕凪 (ゆうなぎ)」「ひのはるか」が栽培されています.

熊本県では「い業研究所」という機関がい草や野菜の品種を開発しており優良な品種を作り出しているそうです.安い輸入品に対抗するために,優良品種「ひのみどり」の生産拡大を行ったり,最高級畳表の新商品を開発したり,産地の構造改革やブランド化に取り組んでいます.

また,食品分野においてもい草を活用することで地域振興を図っています.
熊本県は「いぐさで健康を創る」をテーマに,食べるい草「ゆいのくさ」のブランドを作り,その機能性のPRと新商品開発を行う「『ゆいのくさ』推進協議会」を2014年1月に設立しました.

いぐさで作った「食べられる箸」(http://edible-chopsticks.com/)というのもあります.箸として使った後に,食べてしまうことができるのだとか.いぐさの香りのクッキーのような味わいだそうです.

豊富な食物繊維を含むい草は食品として注目されています.
無農薬栽培のい草を熱処理後に粉末にし,練り込むことでうどんやアイスといった製品が販売されています.また,粉末は「いぐさの粉」としてイナダ有限会社(熊本県八代市)が販売しており,お茶として飲むことができます.
イナダ有限会社はい草の栽培法から加工までの研究を約20年にわたり続けているそうです.


ということで,今日のソフトクリームはい草です.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソフトクリーム

 

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いぐさ抹茶ソフトクリーム(250円).
ドリンクや軽食を販売している「おやつ工房」(10時-17時)で買えます.

八代地方の特産品,い草を粉末にし,抹茶ソフトにブレンドしたソフトクリームです.
抹茶だけのソフトよりもさっぱりしており,なめらかな抹茶ソフトといった感じでした.草団子みたいな味でした.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

 

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加工品販売施設の出入り口付近にありました.
頑張ったけれど...キレイに押せませんでした.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 竜北(熊本県‐14)
住所 熊本県八代郡氷川町大野875-3
アクセス 国道3号線沿い.
公式サイト http://www.michinoeki-ryuhoku.com/
ポイント 晩白柚,梨,たたみ… 特産品はどれも良い香り.

 

【参考ホームページ・参照文献】

九州農政局:http://www.maff.go.jp/kyusyu/index.html
くまもとグリーン農業:http://kumamoto-green.com/
熊本県い業生産販売振興協会:http://www.kumamoto-tatami.com/
タタミショップオカベ:http://www.tatami.net/
氷川町:http://www.hikawacyou.hinokuni-net.jp/Default.aspx?site=1?site=1
『ゆいのくさ』推進協議会:http://www.yuinokusa.net/