【訪問日:2015年2月】
今日は高知県の道の駅「めじかの里土佐清水」でお散歩です.
今回は道の駅「めじかの里土佐清水」の駅長,平林さんにお話を聞きました.
ちょっと珍しい!?道の駅
道の駅「めじかの里土佐清水」は水産加工販売会社,土佐食の直営の道の駅です(土佐食株式会社).
2014年7月に経営者が変わり,リニューアルオープンしました.最初の写真を見ていただくと分かるように,駅舎の裏手には土佐食の加工場があります.なお,工場見学はできないそうです.
メジカ加工場が裏にあるという好立地の「めじかの里土佐清水」.道の駅の物産コーナーでは,工場で製造された製品を購入できるのです♪
それだけではありません.道の駅「めじかの里土佐清水」は日本一細長いと推定される道の駅なのです.
細長い駅舎内には,お土産品が並ぶ物産コーナーや野菜・お惣菜が並ぶコーナーがあります.駅舎の外には果物が並んでいました.
物産コーナー
駐車場から向かって右側は物産コーナーです.でも,一番右端にあるのは食堂です.
今日は残念ながら営業終了後でした.めじかの里食堂では,宗田節から取った出汁を使用したうどんを味わえます.うどんの他にもカレーライスや定食を食べることができます.
物産コーナーにはソウダガツオ商品が並んでいます.
かつおの仲間のソウダガツオは,土佐清水の魚として指定されています.「この地域では昔から,ソウダガツオのことをメジカと呼んでいます.」と教えてくれました.なるほど! だから,“めじかの里”なのですね”
メジカは本ガツオよりも小さい鰹節が出来上がるそうです.それが「宗田節」.宗田節の生産は高知県が日本一,生産量の約8割を占めるそうです.メジカは一尾一尾丁寧に釣り上げられ,冷却したまま土佐清水の港に水揚げされます.足摺岬沖での一本釣り漁法は土佐清水市だけの漁法のようです.土佐清水市沖での漁獲高は年1万トン.なんとそのうちの95%が出汁として利用されるそうです.鮮度を保つ工程は独特の香りと味を出すための工夫なのだとか.
そばやうどんの出汁として人気が高い宗田節.「関東のソバ出汁は,ほぼソウダガツオから取られているんだよ.」と教えてくれました.また,ラーメンのスープにも用いられることがあるそうです.料理の基本となる出汁,つまり日本食に欠かせない存在なのですね”
宗田節は,燻して乾燥させる工程である「焙乾(ばいかん)」工程にも細心の注意を払っています.最高の宗田節に仕上げるために,その日の天候や風向きを考慮し火の強さを調節するそうです.
宗田削り節はあくの強い野菜(山菜や根菜類)とも相性が良いのだとか.そのため煮物をする際に使ってもおいしく仕上がるそうです.
宗田節といっても,商品は削り節だけではありません”
だし醤油の素です.家庭で使っているお醤油を瓶に注いで置くだけで,簡単にだし醤油が出来上がります.瓶の中には宗田節が入っており,醤油を入れ2週間程度寝かせると香りの良いだし醤油の完成です.
おさんぽわんこは購入し,早速,作ってみました.2週間...は待ちきれず3日ほどで味見してしまいました.冷奴にかけて食べたのですが,かつおの旨みが感じられました.いつもと一味違って美味しかったです.今後の熟成も楽しみです♪ 醤油を継ぎ足すこともでき,約1年間使用できます.瓶には入っていない「だし醤油の素」も販売していましたよ.
こんな商品も見つけました.
だし巻き卵の素です.宗田節から取った出汁と醤油を合わせ調味してあります.卵3個と混ぜ焼くだけで「土佐風だし巻き卵」が出来上がるのです.だし巻き卵はシンプルな料理ですが味付けが肝心.この素を使うと美味しいだし巻き卵が簡単に作れそうですね”
もちろん,ごはんとの相性が良さそうな商品もあります.
宗田節が合うのは和風な料理だけではありません.「宗田だし」を使ったドレッシングも販売されています.にんじんドレッシングや柑橘類のドレッシングなどです.サラダやアジフライにかけても美味しいそうです♪ さらに...土佐食・三崎工場のすぐそばなので「工場直送のお買得商品」もありましたよ!!
【姫かつお】
ソウダガツオの商品の幅を広げたのが土佐食です.
鮮度の落ちやすいソウダガツオは宗田節に加工されるだけでしたが,土佐食は1990年頃から商品開発に着手し,“姫かつお”を生み出しました.
“姫かつお”とはソウダガツオを原料にした製品のこと.ソウダガツオは本ガツオよりも小さくて可愛いことから“姫”の名が付いたそうです.
姫かつおスティックは釜茹でしたソウダガツオを特性タレにじっくりと漬け込み焼き上げたもの.
柔らかくて食べやすい商品です.シンプルな塩味に加え生姜やニンニク,ゆずぽん味などがあります.
そのまま食べても良いのですが,サラダやパスタの具材にしても美味しいそうです.
物産コーナーでは,ソウダガツオ以外の製品も扱っています.
近所には塩けんぴの工場があるそうです.右の写真の「足摺黄金糖」は黄金色をした黒砂糖です.土佐清水市大岐の浜ではサトウキビが栽培されており,それを原料に黒砂糖が作られています(高知いいもの市場「足摺黄金糖」).
野菜コーナー
細長い道の駅.続いては,駅舎の中心にあるレジを通り過ぎ,野菜コーナーです.
夕方のお散歩ということもあり,野菜は少ししかありませんでしたが,水菜やほうれん草といった葉物野菜も並んでいました.野菜だけではなく,お弁当やお惣菜も扱っています.
こちらは「ペラ焼き」という商品.
ペラ焼きとは薄くのばした生地の上にネギとすり身の天ぷらと卵を乗せて焼いたもの.ちょっと辛めのソースがクセになる味なのだとか.写真ではうまく伝わりませんが...ネギとジャコ天が入っているそうです.ピリッとした辛さは黒胡椒のようです.ペラ焼きは50年近く土佐清水で食べられてきた「ペラ焼き」は清水のソウルフードとして土佐清水の観光ガイドブックで紹介されていました.
新鮮な海の幸もありました!
つぶらな瞳のお魚です.「清水の人が清水の海で釣った清水の魚」.今日,並んでいた魚はグレ(メジナ)とサンノジ(ニザダイ)でした.
(おそらく)日本一細長い道の駅を,端から端まで案内してくれた平林駅長とパチリ.
平林さん,今日はありがとうございました.
近くの観光スポット
土佐清水市は,四国の南西端にあります.黒潮が近くを流れているため漁が盛んに行われています.四国,最南端の突き出した部分が足摺岬(あしずりみさき).荒波により侵蝕された花崗岩が織り成す景観は多くの観光客を集めています.足摺岬の西側,土佐清水市街から西へ約8kmの地点にあるのが竜串・見残し海岸です.この地も侵蝕作用による奇岩が連なり景勝地として有名です.
道の駅「めじかの里土佐清水は」足摺宇和海国立公園の足摺岬・竜串の入口に位置しています.「めじかの里土佐清水」付近の国道321号線は海沿いで,トンネルもあります.
「めじかの里土佐清水」から車で5分ほど離れたところには「足摺海底館」があります.海に突き出した赤色の建築物が印象的です.足摺海底館は海中展望塔です.螺旋階段を下った先には懐中窓が設置されており,海面下7mの景色を楽しむことができるそうです.色とりどりの魚やテーブルサンゴなど,竜串の海中を気軽に見ることができます.
近くには「足摺海洋館」という施設もあります.『土佐ノ海と黒潮の魚たち』をテーマに約200種の海の生物が飼育展示されています.直径9m,高さ6mの円柱状の大水槽ではアジの郡泳もみられるようです.
道の駅スタンプ
レジのところにありました.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | めじかの里土佐清水(高知県‐16) |
住所 | 高知県土佐清水市三崎字西シリソメ671-1 |
アクセス | 国道321号線沿い |
関連サイト | http://www.skr.mlit.go.jp/road/rstation/station/mejika.html |
ポイント | 日本中の出汁を支える宗田節” |
土佐清水市観光協会:http://www.shimizu-kankou.com/