【訪問日:2015年12月】
今日は山口県の道の駅「長門峡」でお散歩です.
報案内コーナー・特産品販売所・レストランがある道の駅「長門峡」は観光客の拠点となる道の駅です.
直売所「あとうの恵み」
阿東の”恵み”が詰まった商品がそろっています.あとう和牛や米,野菜,リンゴ,そしてそれらの加工品は観光客だけではなく,地元のお客さんも人気のようです.店内では,りんごを使った製品が目立っていました.
近所には,西日本一の規模を誇るりんご園があるそうです.そういえば,9号線を長門峡から津和野方面へ向かっていると,りんごの直売所を何件か見かけました.“りんごの駅”というのもありましたよ.ちなみに道の駅の直売所「あとうの恵み」は2013年まで「りんごの気持ち」という屋号だったようです.あとう和牛と同様に,りんごもオススメの品なのですね”(徳佐りんごについては道の駅「願成就温泉」の思ひで…をご参照ください).
りんごケーキの試食は売り切れだぁ...がっかり.
りんごはドーナツやパイ,ゼリー,サブレ,饅頭,ジュースなどいろいろな商品に加工されていました.店舗の外には野菜を扱っているコーナー(ふれあい市)がありました.そこでは青果のりんごを販売していましたよ.
りんご饅頭は甘そうなお菓子ですが,ちょっと大人な味がしそうな饅頭もありました.
わさびまんじゅうです.
岩国市やましろ地域の特産品である「やましろわさび」を使っているのだとか.わさびが使われているのは餡ではなく生地のほう.モチモチの大福生地にわさびを練り込み,白餡を包んでいます.わさび独特のツーンとする刺激が残っているそうです.
阿東産コシヒカリも販売していました.標高が高い阿東地域は新潟の気候に似ており,美味しいお米が採れるそうです.
それぞれの村で採れたお米の食べ比べができるように2合ずつにパッケージされたお米も販売していましたよ” 全部で5種類ありました.可愛い袋に入っていて,お土産にもいいですね.
ごはんと相性ピッタリの商品レトルトの「あとう和牛高原カレー」です.
入っているあとう和牛は“肉厚”なのだそうです.独自にブレンドしたスパイスが肉の美味しさを引き立てているのだとか.スパイシーなカレーだそうですよ.
レトルトカレーもいいけれど,あとう和牛を今すぐに味わいたいという方はこちら.
「あとう和牛バーガー」です.和牛の旨味を生かすために厚さ2cmもあるのだとか♪ トマトやレタス玉ねぎなどはできる限り地元で出来た野菜を使っているそうですよ.
山口市阿東地福下のカフェ・レストラン「樹里庵」が2013年に発売したもので,道の駅では土日祝日に販売しているそうです.「あとう和牛バーガー」を開発したカフェ・レストラン「樹里庵」は道の駅から車で5分ほどのところ(三谷交差点そば)にあります.そこに行けばいつでも食べられそうです(定休日:月曜).
阿東の自然の中でこだわりを持って肥育された「あとう和牛」は道の駅「長門峡」で買うことができます.冷蔵のコーナーには何種類もの焼肉のたれが並んでいましたよ! あとう和牛を買って,タレを買って,野菜を買って,米も買えて...道の駅だけで焼肉パーティーの準備が済んでしまいますね” 粕漬け,なら漬け,白菜の漬物,味噌なども販売していましたよ.
【あとう和牛~和牛の肥育農家をめぐる情勢~】
2010年,あとう和牛の生産拠点だった農業法人「あとう和牛の里」から最後の肥育牛12頭が出荷されました.事業撤退を決めた要因は高齢化など肥育事業を取り巻く環境の変化です.食肉市場の相場は輸入牛肉などの影響で下がる一方,素牛となる子牛市場の相場は上がっていたのです.
素牛とは肥育開始前の子牛のこと.ブランド牛を育てる肥育農家は素牛を市場で購入し2年ほどかけて肥育した後,ブランド牛として出荷するのです.肥育農家は餌である飼料を工夫したり牛にストレスを与えない環境を整えたりして,それぞれのブランド牛に育て上げているのです.
このように肥育農家は素牛を購入する必要があり,さらに出荷できる状態まで牛を育てるため餌や飼育環境への投資が必要となります.素牛の価格高騰,資料価格の高騰,食肉市場における牛肉価格の下落は肥育農家にとってダメージとなるのです.
和牛子牛の取引価格は,2007年8月には50万円を超える水準に達していたそうです.価格は一時的に下落したものの,あとう和牛の前生産者は2009年6月に新たな素牛の導入を停止しました.
高齢化に伴う繁殖農家の廃業や東日本大震災で繁殖牛が減少するなどで供給頭数が減少したため子牛(素牛)の価格は依然として高水準にあります.「肥育農家が子牛を仕入れる価格は肉牛生産コストの半分以上を占める水準まで上昇している」との指摘もあります(日本経済新聞「和牛子牛、1頭50万円超に上昇 10月、肥育農家の経営圧迫」,2013年11月15日).
あとう和牛前生産「あとう和牛の里」の撤退後,閉鎖状態だった施設を引き継いだのは「あとう和牛振興センター」です.ローカルブランドとして確立しつつあった「あとう和牛」の生産を絶やしてはならないと,事業継続を決断したのです.2011年6月から肥育素牛を導入し肥育経営を開始しましたが,もちろん経営環境は厳しく,成牛の出荷が本格化するまでは赤字が見込まれていました.肥育牛の出荷は2012年12月から開始しています.
道の駅「長門峡」の店舗販売も引き継がれており,現在でも対面販売が行われています.「あとう和牛」の精肉を直接購入できる店舗は,ここ以外にほとんどないそうですよ.
こちらが道の駅の「あとう和牛専門コーナー」です.
通常のお肉屋さんのように焼肉,ステーキ,すき焼きなどのお肉を販売しています.阿東地域の黒毛和種ブランド「あとう和牛」は,まろやかな舌触りが特徴なのだとか.
ということで,あとう和牛を食べてみます.
レストラン「聴秋」
牛丼,うどん,ステーキ,すき焼き,ビーフカレーと様々な料理であとう和牛が提供されています.旬の川魚料理も人気のようです.
ステーキ定食(2500円)をいただきます♪
あとう和牛は口の中でなくなっちゃうような柔らかいお肉です.外はカリカリに中はレアに焼き上げてありました.ポン酢ダレでさっぱり食べることができますが,肉自体の脂もしつこくありません.セットのお吸い物もきのこのだしが出ていて美味しかったです.
このレストランの名前「聴秋」は長門峡を守る会に寄付を続けた歌人に由来しているそうです.
芸術家や多くの人々を惹きつける長門峡は道の駅のそばにあります.
近くの観光スポット
【長門峡】
道の駅の名前にもなっている長門峡とは,山口市阿東から萩市川上にまたがる阿武川沿いの渓谷のことです.1962年に長門峡県立自然公園として指定を受けました.四季を通して美しい景色をみせる長門峡は人気の観光地です.特に秋は,紅葉を見に多くの人が訪れるようです.広々とした大きな谷にある穏やかな大谷淵,大きな岩が突き出し迫り来るような景色をみせる榧ヶ淵など自然の様々な表情を楽しめます.竜宮城を思わせることからこの名が付いた竜宮淵は川面に映る木々と優雅に泳ぐ鯉を見ることができるのだとか.
道の駅「長門峡」から竜宮淵までは5kmほどで,長門峡遊歩道でが整備されています.自然を楽しみながら散策でき,途中にある茶屋では鮎料理やぜんざいを食べる事ができるそうです.
長門峡との呼び名は萩市出身の植物・地質学者であり日本画家の高島北海により命名されました.
道の駅では長門峡という名のお菓子も販売していましたよ.
1920年に長門峡と改名されるまでは「長門耶馬溪」と言われていたました.その名をつけたのはイギリス人英語教師エドワード・ガントレット.彼は耶馬溪よりも美しいと評し1912年に「長門耶馬溪」と名付けたそうです.耶馬溪って前にお散歩した大分県の耶馬溪のことかなぁ!? 耶馬溪(道の駅 「耶馬トピア」の思ひで…)よりも美しい...今度,お散歩してみなくっちゃ!!
道の駅スタンプ
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 長門峡(山口県-09) |
住所 | 山口県山口市阿東生雲東分47-1 |
アクセス | 国道9号線沿い |
公式サイト | http://choumonkyou.blog.fc2.com/ |
ポイント | いろいろな「あとう和牛」料理 |
山口新聞「阿東の黒毛和種ブランド牛、主力肥育法人が事業撤退」,2010年12月17日
山口新聞「あとう和牛 灯守れ 事業継いだ振興センター、肥育スタート」,2011年6月16日
「阿東の地域振興を担う 山口県山口市阿東・ふるさと振興公社」,2013年
あとう路ナビ:http://www.ato-kankou.org/
山口県:http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/
山口県地域情報ブログポータルサイト それっcha! :http://blog.soreccha.jp/