【訪問日:2015年2月】
今日は愛知県の道の駅「田原めっくんはうす」でお散歩です.
こちらは道の駅の駐車場にある看板です.看板の左側に写っているキャラクターを見てください.
ハートの形をした周りに出ているのは花の芽・野菜の芽・文化の芽・産業の芽・むらおこしの芽を表しています.このイメージキャラクターは発展,成長する元気な町を表現したものなのだとか.芽を発展させる家(ハウス)であろうと「田原めっくんはうす」という名前になったそうです.
「田原めっくんはうす」には,お土産コーナーや観光案内所,レストラン,ファストフードコーナーなどがあります.
渥美半島の農業
愛知県といえば豊田.製造業のイメージが強いですが,農業も盛んに行われています.2012年の農産物産出額は全都道府県中6位です(データは「愛知の農業」より).
愛知県南東部に位置する渥美半島では施設園芸が発達しており,温室やビニールハウスを利用した花や野菜,果物が多く出荷されています.沖合に流れる暖流のため冬でも比較的暖かく,雪もほとんど降りません.また,日照時間も長い傾向にあります.
日本一と言われるほどの産出額を誇る渥美半島の農業ですが,気候条件に恵まれているだけではありません.温室・畜産団地などの造成といった大規模な生産基盤の整備や経営規模の拡大が行われているのです.
渥美半島の大部分を占める田原市では資源循環型・環境保全型農業を推進しています.農業先進地域と言われる田原市の農業産出額は約724億円(2006年)で市町村別でみると全国1位です(田原市ホームページ「田原市の農業」).
そんな田原市の特産品のひとつがメロンです.
【メロン】
渥美半島で栽培されているメロンは1本の苗に1玉のメロンです.冬に種を蒔き,春先に苗を苗床から畑へ移し替えます.畑といってもメロンが成長する場はガラス温室です.日当たりを考え南向きに建てられていますが,寒い時期には暖房をつけ温室内の温度を保ちます.
メロンのあの網目模様は卵くらいの大きさになると自然に出てくるそうですよ”
出荷時期は6月中旬から10月頃までです.手間ひまかけて育てられたメロンですが,糖度検査に合格しないと収穫されないそうです.
愛知県で温室マスクメロンが最初に栽培されたのは1907年のことと言われています(ニュー渥美観光より).明治のころに温室を作りメロン栽培をしていただなんて驚きです.戦時中は栽培の中断を余儀なくされましたが,ガラス温室でのメロン栽培は菊やトマトの輪作体系として昭和40年頃から普及しました.輪作とは同じ土地で性質の異なる作物を周期的に栽培することです.異なる作物を順番に栽培することで土壌養分のバランスを保つことができます.
メロンの栽培は難しく成長に応じた水分量の調節や昼夜で異なる温度・湿度管理など非常に手間がかかります.さらに産地間の競合や価格不安定といった課題もあるのです.そのような中,近年ではメロンのブランド化に取り組んでいます.
例えば,愛知県立渥美農業高校の生徒が考案した「カクメロ」です.カクメロとはフレームをはめて栽培した立方体のマスクメロンのことです.味だけではなく見た目も楽しめる果物です.メロンの成長する力が強くフレームが壊れてしまうなど,「カクメロ」が出来上がるまでには様々な苦労があったようです.カクメロは2005年に商標登録,2007年に栽培用型枠の特許を取得しています.
温室で育てられるマスクメロンだけではなく,5月から7月上旬には路地メロンを楽しめます.露地物にはタカミ・クレオパトラ・ホームラン・プリンス・イエローキングなどさまざまな品種があります.それぞれに特徴があり,イエローキングはサクサクした歯ごたえとさっぱりの後味が,タカミ(路地系のネットメロン)は16度という高い糖度が特徴です.いろんな味をお手頃価格で味わえるのは魅力的ですね”
道の駅「田原めっくんはうす」では,1年中メロンを販売しているとのこと.早速,見に行きましょう♪
【参考文献】
加藤俊樹「高校生発案の四角いメロン-特許取得・夢の商品化実現-」
お土産・特産品コーナー
メロン”関連の商品が並んでいます.メロンを表す黄緑色が特徴的ですね.
メロンラスクは香りがポイントのようです.もちろん箱入りのお菓子もメロン中心です.タルトケーキ,ゴーフレット,チョコレート,クッキー,大福...などメロンはいろんなお菓子に変身しています.
全体的にグリーンな感じの売り場になっていました.あ” 西尾の抹茶(道の駅「にしお岡ノ山」の思ひで…)を使ったお菓子も並んでいる” これも緑色をしています.
鮮やかな赤色はトマトとイチゴです.
もちろんトマトもイチゴも田原市の特産品.「新商品」と書かれているトマトは果肉が落ちにくいのが特徴のようです.綺麗な盛りつけができそうですね”
お土産コーナーにはメロン関連商品だけではなく,干し芋やエビせんべいといった通常のお菓子も販売していましたよ.また,シジミやイワシの佃煮も販売していました.
お土産コーナーには婦人服やかばん,くつ,小物等販売が並ぶコーナーもありました.
そういえばメロンの青果は...!? 見逃しちゃったようです.
飲食店
お土産を販売する1階には,うどん・そばのお店もあります.「そば処 飩久」では,お得なセットメニューも販売していました.
出入口付近にはファストフードコーナーの「いか焼き工房 千力」があります.たこ焼きや五平餅を販売しています.ソフトクリームもこちらで買えます.もう1店,施設内にはレストランがあります.2階にある「レストラン もく」では,渥美半島で育った田原ポークや三河湾の海の幸を味わえるそうです.
施設の外,駐車場にはあさりの貝焼きテナントがありました.
お散歩をしたのは休日だったので人も多く,たくさん並んでいました.
渡辺崋山コーナー
「レストラン もく」へ続く階段の裏側には,渡辺崋山コーナーがあります.
田原藩の家老であった渡辺崋山は画家・学者でもありました.彼の作品は西洋画の遠近法などを取り入れた画法が特徴なのだそうです.幼い頃から絵に親しんでいたそうですが,それは貧しい家族を救うためでした.
絵を描く内職をしながら学問に励んだそうです.家老職についてからは民のために「報民倉」を建設するなど藩政に貢献しています.また,外国事情に関心をもち蘭学や兵学の研究をしました.世界状勢を知った渡辺は鎖国や外国船打払令に反対の立場とりました.
田原市博物館には田原藩や渡辺崋山に関する資料が展示されています.
道の駅「田原めっくんはうす」渡辺崋山に関する色紙等販売しているそうです.
お花を扱う店
花を扱う店舗が2件ありました.
正面入口付近にあるのが「ガーデンSAKURA」です.ここでは苗や鉢物販売を中心に行っています.
右側の写真は施設内1階にある「ぐり〜んぽけっと」です.こちらの店舗では生花・鉢花,フラワーアレンジメントなどを扱っているそうです.
暖かい渥美半島では花の産地でもあるのです.
近くの観光スポット
【渥美半島 菜の花まつり】
1月から3月末まで渥美半島は菜の花で溢れます.2015年は1月10日から3月31日に「菜の花まつり」が開催されました.メイン会場は「伊良湖菜の花ガーデン」です.残念ながらお散歩をすることができなかったのですが,鮮やかな菜の花は道路沿いにも咲いています.写真は美しく撮れていませんが...
菜の花まつりでは,菜の花狩りや菜の花迷路といったイベントもあるようです.また菜の花をつかったシフォンケーキやコロッケ,豚汁,おにぎりなど食べ物も菜の花づくしです.行ってみたかったなぁ”
道の駅「田原めっくんはうす」には期間限定で「菜の花はちみつソフト」が販売されていました.
黄色い菜の花のトッピングがかわいいですね”...でも,今日のソフトクリームはメロンです.
ソフトクリーム
メロンソフト(260円)です.施設入口にある「いか焼き工房 千力」で購入しました.観光案内所の向かい側にあります.“メロンアイス”の味でした.なめらかな食感なので,よくある“アイス”とはまた違った感じです.
道の駅スタンプ
情報コーナー・休憩所にありました.
つぎはどこをお散歩しようかなぁ...
名称 | 田原めっくんはうす(愛知県-03) |
住所 | 愛知県田原市東赤石5丁目74 |
アクセス | 国道259号線沿い |
関連サイト | http://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/syousai/aichi/a_03.html |
ポイント | 渥美半島の玄関口で観光情報を入手” |
渥美半島だより:http://www.taharakankou.gr.jp/