道の駅「にしお岡ノ山」の思ひで…

 

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今日は愛知県の道の駅「にしお岡ノ山」でお散歩です.

 

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雨が降っていて建物の写真をうまく撮れなかったので...ポスターを写真に撮りました.ポスターの左下に写っている建物が特産品などの販売施設です.
ポスターの右上に写っているお茶碗と茶筅のロゴは「西尾の抹茶」のブランドマークです.西尾市は日本有数の抹茶生産量を誇る地です.抹茶といえば京都の宇治だけではないのですよ!!
今回のお散歩では道の駅「にしお岡ノ山」で「西尾の抹茶」について教えていただきました.

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 西尾産の日本茶

 

参考URL
葵製茶ホームページ:http://www.aoiseicha.co.jp/index.html
あいやホームページ:http://www.matcha.co.jp/index.html
お茶百科:http://www.ocha.tv/

 

【西尾茶の歴史】

西尾茶の始まりは鎌倉時代.西尾市にある実相寺(じっそうじ)に宋から持ち帰られた茶の種を蒔いたのが始まりだと伝えられています.当時は僧侶などが愛飲していたそうです.江戸時代には茶の栽培が奨励され徐々に広がりましたが,本格的な栽培が行われるようになったのは明治時代です.
紅樹院(こうじゅいん)の住職,足立順道が京都の宇治から茶の種と栽培技術を持ち帰り,伝え広めたそうです.紅樹院には西尾茶の原樹が大切に残されているのだとか.

製茶技術が導入された明治10年代以降,矢作川左岸の丘陵地(稲荷山一体)には大茶園が形成されました.明治40年代には本格的な加工販売も始まり,西尾の茶産業は成長していきました.抹茶の原材料である碾茶(てんちゃ)の生産がメインになったのは大正時代後期からだそうです.

 

【西尾の抹茶】
茶の生産が盛んな西尾ですが,特に碾茶は全国生産量の約20パーセントをしめています(西尾市ホームページ「西尾の抹茶・お茶」より).

静岡,京都,福岡などお茶の産地は日本全国に点在していますが,産地によって適した種類があるようです.
まずは日本茶の種類を見てみましょう”

 

『不発酵茶(緑茶)の分類と種類』 

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 (出所)あいやホームページ,お茶百科をもとに作成.

 

お茶の分類と種類については「道の駅 「彼杵の荘」の思ひで…」も参考にしてください.


西尾市の北西部に広がる矢作川左岸一体の地質は,水はけの良い砂が混ざった赤土の層となっています.その環境は碾茶に必要な艶のある葉をつくるのに適しているのだそうです.道の駅「にしお岡ノ山」にある『西尾茶販売コーナー』の齋藤さんに教えていただきました. 

 

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「お茶の栽培には霧も重要!」とのこと.矢作川の流れに沿って常に適当な湿度が茶畑を覆うため,西尾で栽培された茶葉は美味しさが増すのだそうです.
日本茶は栽培方法やどの部位(新芽・古葉)から作られるかによって種類が異なりますが,各産地の風土や土地に適した種類があるそうです.「煎茶なら静岡や知覧(鹿児島),かぶせ茶は三重,玉露は福岡,碾茶(抹茶)は宇治と西尾」といった具合です.今までお散歩をしたところを考えると...玉緑茶といえば長崎県東彼杵町(そのぎ茶)ですね”
その産地の土や気候がお茶の味に大きく影響を与えるだなんて,ワインのようですね.日本茶は加工の仕方で種類が異なるだけだと思っていましたが,各生産地で“得意”とする種類があるのですね”


さて,西尾の抹茶ですが特許庁により地域ブランドとして認定されています.抹茶に限定した地域ブランドとしては全国で初めてなのだそうです.
美しい色と極上の香り,そして深い味わいは幸せな時間を演出してくれます.

 

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齋藤さんにお茶を点てていただきました.
渋みと甘みのバランスがとても良いです.石臼で挽いてつくられる抹茶には「御濃茶」と「御薄茶」があります.「濃茶は薄茶の3倍くらいの抹茶を用い,ドロドロの状態を飲むんだよ」と教えてもらいました.抹茶3gを50cc以下の湯(70℃くらい)で溶きほぐすように練りあげます.“練る”という感覚が薄茶と異なる点です.薄茶は抹茶1.5gを50cc程度の湯で泡を立てるように点てます.薄茶は濃茶に比べ,少し渋みが多いそうです.

せっかくなので両方買って帰ることにしました♪ 濃茶は良い茶葉で作れば甘味が多くて渋みが少ないとのことなので,ちょっと奮発して高級な抹茶を買ってみました.味わうのも楽しみですが,お茶を点てるのも楽しみです.

 

【西尾の抹茶のこのさき】

お茶販売をしていた齋藤さんは「若い人に日本茶を飲んでもらいたい」と語っていました.どうすれば飲みやすくなり,多くの人に手にとってもらえるか,日々考えているようです.ティーパック入りのものや,水出しで飲める煎茶などもありますが,さらに新しい飲み方を提案していきたいと話してくれました.冷たくすると渋みを抑えることができるので,その利点を生かした商品も考えているようです. 

 

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「この商品は手軽に抹茶を飲めるものです.」と言っていました.キャップをひねると抹茶が水の中へ落ちるタイプのペットボトル飲料です.

 

西尾市では中学校の授業の一環として,茶摘みが行われることもあるそうです.なんとお給料も出るのだとか!! そのお金は部活動の運営などに使われるそうです.実際に体験することで日本茶の理解につながり伝統の継承にも役立ちそうですね”

 

西尾の抹茶はアメリカに輸出されています.最近アメリカでは抹茶(Matcha)がブームのようで,健康に対する意識の高い人から注目を集めているようです.抹茶を扱うスーパーに加え,ブルックリンには抹茶専門店カフェ「Matchaバー」が開店したのだとか.バニラやシナモンなど甘さや香りさらにはジンジャーといったスパイスを加えて飲むのが人気のようです.まるでコーヒーみたいですね”
抹茶を製造する日本企業側もアメリカ現地法人を設立するなど新たなニーズへ対応しています.健康食品展示会やオーガニック食品イベントに積極的に参加しているようです.
日本茶の輸出については「道の駅 「玉露の里」の思ひで…」も参考にしてください.

 

西尾の抹茶,そして日本茶のこれからを真剣に考えている齋藤さん“ たくさんお話,ありがとうございました!

 

【抹茶スウィーツ】
抹茶はお茶として飲むだけではなく,お菓子や料理などで利用されます.道の駅「にしお岡ノ山」には,西尾の抹茶を使ったさまざまな商品が並んでいました.

 

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クッキーにもチョコレートにも抹茶が入っています! 贅沢なラングドシャですね” 松永製菓やフルタ製菓株式会社も西尾の抹茶を使った商品を販売しています.

 

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販売施設には,抹茶を使ったラスクや生キャラメル,蒸しパン,羊羹,ショコラロールなどなど美味しそうなお菓子がたくさんありました.どれを買って帰ろうか悩んでしまいます.さらに,売店内には焼きたてパン販売コーナーもあります.  

 

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そこで見つけたのが「幻の抹茶クリームパン」(165円)です.食べてみることにしました.せっかくなので,抹茶のソフトフランス(155円)も♪
「幻の抹茶クリームパン」はカリフワの丸パンに抹茶クリームがたっぷり入っています.抹茶クリームは甘いけれどさっぱりしていて美味しいです.抹茶が抹茶クリームの中に混ぜ込まれているようで,グリーンのクリームの中にさらに濃い緑のテンテンが見えました.贅沢に抹茶を使用しています.ソフトフランスの方には違ったタイプのクリームが入っていましたよ.また買いに来たいと思えるパンでした♪ 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 「にしお岡ノ山」の売店

 

売店で販売されているのは,西尾の抹茶だけではありません! 野菜や切花,海産物などが販売されていました.  

 

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地元の採れたて野菜だけではなく,お米や卵も販売していました.西尾産のブランド豚「三河おいんく豚」のロースやバラ肉の販売コーナーもありましたよ.さらに,ソーセージや干物も販売しています. 

 

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イシモチ,スズキ,アジ,サンマ,ギンアナゴ,ホウボウなどいろんな種類の干物が並んでいました.
販売施設の外にもお店が出ていましたよぉ.

 

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大粒シジミも西尾の抹茶と同様に矢作川の恵を受けているようです.

 

【軽食堂】
販売施設内には食事処「いっぷく亭」があり,三河産豚肉や一色産うなぎ,抹茶そばが味わえます.

 

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今回はかき揚げ抹茶そば(520円)にしました.抹茶そばの色が鮮やかで本当に綺麗です.だしは関西風でかつおの薄味でした.玉ねぎが甘かったです.


抹茶や抹茶クリームのパン,抹茶そばなど今回のお散歩では西尾の抹茶を味わいました.
あ!!

 

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食事処にあるポストは抹茶色だ♪

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 「にしお岡ノ山」へのアクセス

 

23号線バイパスにある道の駅「にしお岡ノ山」はパーキングエリアみたいなところです.岡崎バイパス上り線からは直接入れますが,下り線(豊橋→名古屋方面)からは直接入ることはできません.下り線から利用する場合は西尾東ICで降り,県道(主要地方道岡崎碧南線)からアクセスする必要があります.高さ20mの道の駅のシンボル「風の塔」を目印に「にしお岡ノ山」を目指してください”  

 

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  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソフトクリーム

 

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もちろん,西尾の抹茶をつかったソフトクリームです.
食べたかった...のですが,パン2個+ソバと,点てて頂いたお茶でお腹がいっぱいです.またお散歩に来た時の楽しみにとっておきます. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

  

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スタンプは販売施設の隣の建物,道路情報提供施設にあったと思います.ちゃんと解説付き.親切なスタンプです.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 にしお岡ノ山(愛知県-13)
住所 愛知県西尾市小島町岡ノ山105番地57
アクセス 国道23号線沿い(岡崎バイパス)
公式サイト http://okanoyama.com/
ポイント “西尾の”抹茶

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

 

西尾市観光協会:http://www.240kanko.com/