道の駅「筆柿の里・幸田」の思ひで…

 

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今日は愛知県の道の駅「筆柿の里・幸田」でお散歩です.

 

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国道23号(岡崎バイパス)下り線の幸田桐山-幸田須美インター間にある道の駅です.名古屋方面からの右折進入はできません.幸田須美ICで旧道23号線に降りたらバイパスをくぐります.信号を左折するのですが,看板が見えにくいことがあるので注意してください”

道の駅「筆柿の里・幸田」には,農産物直売所と食事処・青果直売所・道路情報提供施設が設けられています.また五平餅,ソフトクリームやお団子,美河ハムのフランクを販売するテナント店もあります.

道の駅の名前にもなっているように幸田町は筆柿の出荷量全国1位を誇る町です.

 

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オリジナルバッジも充実です!

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 幸田の筆柿

 

筆柿の名前の由来はもちろんその形にあります.形が毛筆の筆先に似ていることから「筆柿」と名付けられました.

愛知県三ヶ根山麓に自生していた筆柿の栽培の歴史は古く,江戸時代には農家の庭先で作られていたのだとか.幸田町内で最も古いといわれている筆柿の樹木は推定樹齢300年だそうです.濃厚な味わいが特徴の筆柿は,早く熟す早生柿で富有柿や次郎柿より1ヵ月程度早く収穫できるそうです.
この珍しい筆柿を求めて業者が度々買い付けに来ていたそうで,その姿をみて地元の人は本格的な生産に踏み切りました.出荷先は徐々に拡大し,名古屋や浜松にも出荷されるようになりました.東京で売り出すようになったのは1961年のことです.市場の拡大に伴い果樹園が造成され,栽培地域も町全体へと広がっていきました.

筆柿は一本の樹に甘柿と渋柿がなる不完全甘柿に分類される柿です.現在では柿の選別作業は機械化されていますが,全自動の機械が導入されるまではひとつひとつ手作業で見分けていました.判別作業が夜中まで続くのは当たり前のことだったのだとか.
甘柿と渋柿が混在する不完全甘柿を全国出荷することは大変な苦労だったようです.従って,大量生産と収益性の観点から渋柿対策を行う必要がありました.生産者は甘柿・渋柿を自動判別し,サイズ分け,袋詰めまで行う自動選果機の導入に踏み切りました.しかし,導入当初はデータが蓄積されていなかったため,うまく判定することができなかったそうです.もともと,ひとつひとつの果実の大きさや形にばらつきがあるわけで,これらを判定するのは難しいことなのですね.
データを蓄積し,色や重量を判定基準に加えることで,99%の精度での判別が可能になったのだそうです.

筆柿は幸田町の特産品で全国出荷量の約95%を占めています.技術の進歩が生産そして消費の拡大につながったのですね”

さて,この筆柿ですが「筆柿の苗をほかの地域で育てようとすると、渋柿しかなりません。」とのこと(JAあいち三河,安藤さんへのインタビュー記事「広報こうた2002」より).不思議な柿の木ですね” 幸田町の気温や土壌が甘柿の生育に関係しているようです.
筆柿の生産者は,消費者のニーズに応えるため形や色など見栄えにこだわった商品も販売しています.また,減農薬栽培など安心安全な筆柿づくりにも取り組んでいます.


幸田町でしか採れない筆柿,ぜひ食べてみたいです.筆柿は和菓子やワインにも加工されています.さっそく直売所をチェックです♪

 

参考文献・URL
JAあいち経済連「あいちの果物」:http://www.ja-aichi.or.jp/main/product/fruit.html
幸田町総務部企画情報課「広報こうた2002.10月号」

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 産直コーナー

 

幸田町の特産品,筆柿を使った製品がたくさん並んでいます.

 

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饅頭や羊羹といった和菓子もありますが,ゼリーやケーキなどにも加工されています.筆柿ゼリーは通常のものと“極上”のものがありました.  

 

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よーく見てみると,極上の方には大きめにカットした果肉も入っているようです.筆柿ゼリーは,筆柿本来の味の再現にこだわった商品なのだとか.お菓子類だけではなく,ジャムやドレッシングにも加工されていました.ジャムは筆柿の特徴である「ゴマ」を感じることのできる製品なのだそうです.「ゴマ」とは果肉の黒いつぶつぶのこと.渋み成分であるタンニンを封じ込めた印なのだそうです.


こんな商品も見つけました! 

 

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筆柿ペーストです.2Kg入りなのでたっぷり使えますね” ペーストのそばにあったのが筆柿のシャーベット.筆柿のシャーベットは通常のものとマンゴー入りのものがありました.幸田町の農産物を用いたシャーベットシリーズの中には…  

 

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たけのこを使ったものもありました.「たけのこのジェラート」どんな味かなぁ??? 梨,もも,いちごを使ったシャーベットもありましたよ♪ ここでしか味わえないシャーベットのようです.
もう一度,筆柿に戻ります.

 

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筆柿を使ったリキュールやワイン,梅酒を販売していました.お土産にも良いですね” 食べ物以外にも筆柿製品はあります!!

 

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これは凧かなぁ!?綺麗な柿色は空でも目立ちそうです♪

産直コーナーでは,特産品の筆柿を使った商品はもちろん,卵や米,生花,お菓子,パン,三河湾の海の幸の干物類などさまざまな商品を扱っていました. 

 

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焼きそばやおにぎりといったお弁当もありましたよ.
パイナップルやプルーン,レーズンなどドライフルーツを扱うコーナーで珍しいものを見つけました.  

 

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干しバナナです.初めて見ました!お土産用のお菓子だけではなく,通常のお菓子類も販売しています.

 

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あ!! 「柿の種」もある.そうそう” 筆柿の種はあられ菓子の「柿の種」そっくりの形をしているそうです.お菓子の「柿の種」の柿は“筆柿”のことなのかなぁ!?  

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 食事処「笑意軒」(しょういけん)

 

産直コーナーと同じ施設内には食事処があります.メニュー表で黄色いシールのついた定食はJAF割引があるそうですよ.メニューはラーメン,カレー,そば,うどん,からあげ定食,生姜焼きなどです.そう聞くと,一般的な定食屋さんのように思えますが,よく見ると筆柿チキン定食や筆柿味噌カツ丼など特産品の筆柿を生かしたメニューもあります.
食事処「笑意軒」の自慢は筆柿の創作料理です.筆柿の消費を増やすことで生産農家を応援しているのだそうです.
今回注文したのは筆柿ロールセット(500円)です.ドリンク付きの筆柿ロールセットは「土日・20人限定」の商品です.

 

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この筆柿ロールケーキは筆柿レシピコンテストで最優秀賞を受賞した作品です.柿の風味が存分に生かされていることが評価されています.ペースト状にした筆柿を生地やクリームにたっぷり練りこんでいて果肉も使っています.
クリームの中に刻んだ柿が入っていてシャキシャキしていました.写真では伝わりにくいかもしれませんが,しっとりした生地でしたよぉ.筆柿ロールケーキを考案した加藤さんは生地をしっとりさせるために何度も試作を重ねたそうです. 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 青果直売所

 

地元で採れた新鮮な果物や野菜を販売しています.

 

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きのこ類,白菜,大根,カブなどの野菜やミカン,梨といった果物がならんでいました.
筆柿の時期は9月から11月.秋を代表する味です.お散歩をしたのは2月なので残念ながら筆柿の青果には会えませんでした.今度は秋にお散歩に来よう.参考までに...筆柿を選ぶときは,果皮にツヤとハリのあり太くて大きいものがよいそうです.また追熟する果実ではないので,購入後すぐに食べられるのだとか.皮をむかずに丸ごと食べるのがオススメなのだそうです.

冬には冬の美味しい農産物があります.

 

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幸田のいちごは10月下旬から5月上旬まで栽培・収穫されています.品種は「とちおとめ」を中心に「あきひめ」や「紅ほっぺ」です.お散歩をしたときはちょうどイチゴの時期でした. 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道路情報提供コーナー

 

トイレのとなり道路情報提供施設です.道路に関する情報や幸田町や周辺市町の観光情報を入手できます.この施設内ですごいものを見つけました.

 

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さつまいもからニョキニョキと根のようなものが伸びています.焼き物に乗せられた成長したさつまいもは,生きたオブジェのようでした.今はどうなっているかなぁ...? 

 

  f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain ソフトクリーム

 

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もちろんソフトクリームは筆柿です.青果直売所の隣にあるテナント店で販売していました.が...残念.少し待ってみましたが,販売スタッフの方が来なかったので,次の機会にします. 

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

  

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道路情報提供コーナーのさつまいもの隣にありました.筆柿がおいしそうです♪

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 筆柿の里・幸田(愛知県-12)
住所 愛知県額田郡幸田町須美東山17番地5
アクセス 国道23号線沿い(岡崎バイパス)
公式サイト http://www.fudegaki-sato.com/
ポイント “幸田の”筆柿

 

 

【参考ホームページ・参照文献】

 

園芸王国あいち:http://www.ja-aichi.or.jp/engei/index.html