道の駅 「宇津ノ谷峠(下り線)」の思ひで…

 

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今日は静岡県の道の駅「宇津ノ谷峠(下り線,静岡市側)」でお散歩です.

 

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道の駅「宇津ノ谷峠」は峠(トンネル)を挟んで静岡市側と藤枝市側にある珍しい構成の道の駅です. 道の駅番号は両方とも静岡県4番です.今回は下り線でのお散歩ですが「宇津ノ谷峠(上り線,藤枝市側)」もお散歩したことがあるので,ご参照下さい.

 

国道1号線を東京方面から来ると,車道に大きく「道の駅」と書いてあるのが見えました.  

 

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おにぎりやお弁当を提供する「天神屋」の営業時間は朝7時から19時まで.
国道沿いなので,朝早い時間から利用したいというお客さんが多いのかもしれないですね”

 

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店内はおでんの香りでした.静岡らしいです.
「天神屋」はお弁当類だけではなく,とろろ定食やアジやサンマの定食,うどんやそばも提供しており,店内で食べることができます.
「たぬき」味のおにぎりを見つけました!  

 

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あれ” でも,となりにある「金山寺」も気になります.どんな味かなぁ” 金山寺味噌を使ったおにぎりなのかなぁ...?


食堂と同じスペースに設けられている売店は広くはないですが,御殿場のチーズケーキや富士山羊羹(ようかん)など,お土産も扱っています.そして,蜂蜜の種類が豊富でした.  

 

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スペインやブルガリアなど,“静岡”にちなんだものでは無いようですが,いろいろな種類のはちみつが販売されていました.

“静岡”にちなんだものもあります!
「わさび」です.冷蔵のコーナーで,ちょこんと生わさびが販売されていました.  

 

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 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain わさび(山葵)

 

静岡県の特産野菜のひとつが「わさび」です.
冷涼な気候,そして清流の下で育つわさびの主な産地は長野県と静岡県で,両県で生産量の90%以上を占めています.

生産量が最も多い県は長野県ですが,生産面積と産出額は静岡県が第1位です.平成24年産の水わさびの生産データを見ると,静岡県の産出額は30億円で総産出額における75%のシェアを占めています(データはふじのくに静岡県公式ホームページより).

 

わさびは日本原産の植物です.植物学上の名前は「Wasabia japonica」といい,日本を意味する言葉が入っています.また英語の正式名は「Japanese horseradish」です.

多年生の水生植物であるわさびは,年間を通して葉を落としながら成長しますが収穫できるまでに日数がかかるため,希少価値が高い商品として取引されています.植え付けをしてから収穫まで,1年半から2年程度かかる種類もあるそうです.また,わさびの育成には最適な水質と水温が欠かせないため,栽培できる場所が限られます.

 

富士山や天城山といった自然に恵まれた静岡県は,豊富な水資源を生かしたわさび栽培を行っており,伊豆半島や県中部地域,御殿場市が主要産地になっています.伊豆半島の狩野川,中部地域の安倍川や大井川といった地域や,富士山の湧水が豊富な地域で栽培されています.

静岡県では「水わさび(沢わさび)」が中心に生産されており,関東や関西地方に出荷されています.わさびは栽培方法により「水わさび」と「畑わさび」に分類されます.養水で栽培されるものが「水わさび」で山林中の畑で栽培されたものが「畑わさび」となりますが,植物分類学上は全く同じものなのだそうです.

しかし栽培方法で味に違いが出るようで,辛味の強い「水わさび」は生食用に用いられ「畑わさび」はわさび漬けなどの加工用に利用されます.

 

わさびの代表的な機能として「抗菌・抗カビ作用」があることが知られています.
このわさびの抗菌作用は,1690年代から認められていたようです.江戸前期の食物研究家,人見必大(ひとみひつだい)による「本朝食鑑」(1697)には「魚鳥の毒を解し、蕎麦の毒を殺す」とのわさびの効果が記されているのだそうです.近年では,骨量増進作用があったとのマウス実験の結果から骨粗鬆症に有効なのではないかと期待を集めているようです.

 

わさびは薬味としてだけではなく,健康的な食材としても注目されているのですね.
お寿司と一緒に世界に進出しているわさびの新たな効果・効能が注目される日が来るかもしれないですね”


今回は,生わさびではなく「わさびらむね」を買いました.
プラスチック容器ですがビー玉が入っています. 

 

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ほのかに緑色をしていて,わさびっぽい雰囲気です.後味すっきりのサイダーでした.普通のサイダーのように甘すぎなくて,良い気がします.わさびといっても辛くありませんよ”
……そう,辛くないはずです.よく見たら 

 

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「原材料にわさびは使用していません。」と書いてありました.え~っ!

売店は外にも商品棚があり,農産物や日本茶,カップの富士宮焼きそばが並んでいましたよ♪

 

 f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 明治のトンネルを探して...

 

宇津ノ谷地区は伊勢物語でも歌われた「蔦の細道」やレンガ造りの「明治のトンネル」といった名所が残されている地域です.

「明治のトンネル」とは静岡市と藤枝市岡部の間にある宇津ノ谷峠の旧東海道にあるトンネルで,名前の通り明治時代(明治9年)に完成したトンネルです.
「明治のトンネル」は1896年の火災で崩壊してしまったため,現在残るトンネルは初代のトンネルを改装したものです(1904年に修復).国の登録有形文化財となっているこのトンネルは赤レンガ造りとなっており,トンネル内部はカンテラ風の照明で照らされているようです.

 

難所とされていた宇津ノ谷峠には「蔦の細道」と呼ばれる山道がありましたが,暗く険しい道だったそうです.峠越えの危険を減らすため地元の有力者達が結社をつくり,1874年にトンネル掘削工事が始められました.工事には15万人もの人が携わったとの報告があります(伊豆・駿河観光ガイドホームページ).
トンネルは1876年(明治9年)に完成し,人々の峠越えを助けたようです.
しかし掘削技術や測量技術の水準が未熟であったため,初期の「明治のトンネル」は“くの字”に曲がったトンネルだったそうです.また,トンネル自体が複雑な形をしており内部が暗かったため入口には太陽光を採り入れる反射鏡が設置されており,さらに内部には50ものカンテラが吊るされていました.このカンテラが原因となって火災が発生し消失してしまったようです.

修復された際“まっすぐ”なトンネルとして作り直されました.初期の「明治のトンネル」は現在の全長207m(データは静岡市ホームページ)よりも長かったということですね”

 

この「明治のトンネル」は日本初の有料トンネルと言われています.
建設のために結社を組織した7名が工事費用の6割以上を出資したため,50年間の道銭徴収を認められ,大人2厘,子ども1厘の通行料を徴収したのだそうです.後に値上げされて大人6厘となったのだとか...

そんな「明治のトンネル」を見てみようと思い道の駅にあった周辺ガイドを頼りに探してみました.

 

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これかなぁ”

 

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車でも通行可能なこのトンネルは,「大正トンネル」のようです.
この宇津ノ谷峠には「明治のトンネル」の他に便宜的に「大正のトンネル」「昭和のトンネル」「平成のトンネル」と呼ばれるトンネルがあります.この「大正のトンネル」は開通が昭和だったので「昭和第一トンネル」とも呼ばれているようです.

 

途中で道を間違えてしまったのかな...「明治のトンネル」にたどり着けませんでした.明治のトンネルは,また今度,探しに来ようかな”
宇津ノ谷地区は,各時代のすべてのトンネルが現存し通行可能なことから,「トンネルの歴史」を見ることができる貴重な場所なのです.

 

f:id:osanpowanko:20140227173908p:plain 道の駅スタンプ

 

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売店入口前(外側)にありました.

 

つぎはどこをお散歩しようかなぁ... 

 


 

名称 宇津ノ谷峠 (静岡県‐04)
住所 (静岡市側) 静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷82-2
アクセス 国道1号線沿い.
関連サイト  
ポイント 2つ(上り・下り)で1つの道の駅.

 

【参考ホームページ・参照文献】

安曇野市(2010)「安曇野わさび・いまむかし」『ふるさと安曇野 きのう きょう あした』No.5, 2010/7/17.

伊豆・駿河観光ガイド:http://www.surugawan.net/guide/index.html
静岡市ホームページ:http://www.city.shizuoka.jp/index.html
ふじのくに静岡県公式ホームページ:http://www.pref.shizuoka.jp/index.html